【麹の食文化】「伝統的な酒造り」、2024年登録決定 : 日本のユネスコ無形文化遺産一覧
国連教育科学文化機関(ユネスコ)に登録された日本国内の無形文化遺産23件を紹介する。 国連教育科学文化機関(ユネスコ)の政府間委員会は2024年12月4日、日本が無形文化遺産に提案していた「伝統的酒造り」の登録を全会一致で決定した。日本の無形文化遺産登録は2022年の「風流(ふりゅう)踊」以来で、国内で計23件となった。
伝統的酒造り / 2024年登録
酒造りは古くから日本に根差してきた食文化のひとつ。500年以上前に原型が確立した「伝統的酒造り」のわざは、こうじの使用という共通の特色を持ちながら、日本各地においてそれぞれの気候風土に応じて発展し、日本酒、焼酎、泡盛、みりんなどの製造に受け継がれてきた。杜氏や蔵人が醸した酒は、儀式や祭礼行事など日本文化の中で不可欠な役割を果たしている。
風流踊り / 2022年登録
盆踊りや念仏踊りなど24都府県で伝承されてきた41件の民俗芸能。風流踊は華やかで人目を引く「風流」の精神を表し、笛や太鼓などの音曲とともににぎやかに踊る。歴史や風土を反映し、地域ごとに特色があるが、いずれも、災厄を払い、死者の供養や豊作祈願など安寧な暮らしを願う人々の祈りが込められている。
伝統建築工匠の技 木造建造物を受け継ぐための伝統技術 / 2020年登録
木・草・土など自然素材を建築空間に生かす知恵、周期的な保存修理を見据えた材料の採取や再利用、建築当初の部材とやむを得ず取り換える部材との調和や一体化を実現する高度な木工、屋根葺(ぶき)、左官、装飾、畳など、建築遺産とともに古代から途絶えることなく伝統を受け継ぎながら工夫を重ねて発展してきた伝統建築技術。 漆の木に傷をつけてにじみ出てくる樹液を採取する「漆(うるし)掻き」や、雁皮紙をわら灰汁や柿渋などにつけて仕込んだ箔打紙にはさんで金箔を打ち延ばす「縁付金箔製造」なども含む。
来訪神 : 仮面・仮装の神々 /2018年登録
「男鹿のナマハゲ」(秋田県)や「悪石島のボゼ」(鹿児島県)など8県10行事で構成。神の使いに仮装した者が正月などの節目に家々を訪ね、怠け者を戒めたり、無病息災などを願ったりする。