日ハム吉田輝星のカーブ解析データはカーショー級!偵察007も将来性に脅威
カーショー級のカーブの解析データ
実は、この縦のカーブはドラフト後にトレーニングを積む中で生み出された産物だった。 「最近カーブに自信を持ってきた。もっと伸ばしていければ」 日ハムではブルペンにトラックマンシステムを導入。動作、回転、軌道などの綿密なデータ解析を行っているが、吉田のカーブの回転軸と、落差、落ちる角度などが、ドジャースのスーパーエース、カーショーの代名詞でもあるカーブに近いというのだ。 「理想ではないが(求めるカーブに)近いのは、ソフトバンクの武田さん、メジャーのカーショー。カーブの有名なピッチャーです。鎌ケ谷で取った投球動作解析(のデータ)では落ち方、ボールの回転軸が、(カーショーの)それに近いデータが出ている。今までは(カーブに)自信を持っていなかったが、冬にしっかりと練習して良くなった。もう一段、レベルアップしていいボール」 近年、フォーシームのハイスピード化が顕著なメジャーでもカーブが見直されている。ピッチングとは打者に錯覚を覚えさせるものだが、目線を動かすには縦のカーブは効果的なボール。伸びあがってくるストレートが武器の吉田にとっても、このカーショー級のカーブはプロで生きるための進化球になるのかもしれない。 次のピッチングは、休み明けの5日。その後は、11日に対打者へのバッティングピッチャーを行い、16日の紅白戦登板に備えるスケジュールが組まれている。 加藤2軍投手コーチは「新人をいじるつもりはない。まず評価された甲子園の夏の状態に戻してもらい、実力を出してもらって打者と対戦し、その対応を見たい。本当の修正は1年が終わってからのオフでいい」というチーム方針を説明した。 これがダルビッシュ有、大谷翔平らを生み出した「育成の日ハム」の基本姿勢。 オリックスの依田スコアラーも「すぐに開幕からローテーに入ってくるという目線ではマークしていません。指にかかったボールを投げる確率が上がってきて、どんなに早くても交流戦くらいに出てくるのかどうか。育成に定評のある日ハムさんのことだから時間をかけて育ててくるつもりだと見ています」という見立てをしている。 それでも吉田は、その立場に甘んじるつもりはない。 「甲子園で勝ち上がっていく姿を見てもらってプロに入った。自分でしっかりと考えてやることが大事。フォームがよくなっていけば、100%に近づいていく。キャンプ中に100%になっていればいい。次のピッチングから修正していく」 クレバーな吉田のことだから、その進化のスピードで日ハムの育成プランを修正させてしまうのかもしれない。 (文責・本郷陽一/論スポ、スポーツタイムズ通信社)