日ハム吉田輝星のカーブ解析データはカーショー級!偵察007も将来性に脅威
疑いのないポテンシャル
荒木2軍監督の評価は、「皆さんのせいで、自分のタイミング、自分の“間”で投げられていなかった。いいボールもいっぱいあったが、ダメなボールもいっぱいあった。でも初めてのブルペンでは想定内。ストレートに関してはドラフトの上位で評価される強さを感じた。その数は少なかったけどね」というもの。 確かに大きく抜けてしまうストレートや、ワンバウンドになるスライダーも目立ち、20数球あったストレートのうち、本当に指にかかったボールは3球程度だった。 だが、わざわざ2軍キャンプにまで偵察にきた開幕カードの相手、オリックスの依田スコアラーは、そのボールに将来性を感じたと断言した。 「まだ初日で、おそらく全力投球したのは、3球程度だったのでしょうが、甲子園で見させてもらったような球持ちのいい150キロ級のストレートでした。今後、その確率をどれだけ増やせるかでしょうが、そういうボールが1球でもあるなら、それがその選手の力、素材であり可能性。高校生にしては下半身がどっしりとしているし、将来性を感じさせるものを見させてもらいました」 沈みこむフォームには安定感があり、はまったときのストレートの回転、球威は、ドラ1の評価に恥じないもの。コントロールの精度は別にしてポテンシャルに疑いはない。 だが、鎌ケ谷での自主トレからずっと見てきた加藤2軍投手コーチは「これまででバランスが一番悪かった」という。 吉田の自己採点も50点。 「右の踵がプレートから早く離れ、上体が突っ込みすぎて三塁側に倒れている。下と上の連動性がなく、粘りがあまりない。まだ同時に体が回っている。下半身から回って上へ回転が伝わっていくのが理想。そこを直していければ」 映像でフォームをチェック、修正ポイントを確認した。客観的に自己分析ができるのが、この18歳の非凡な点だ。 そんな中でも加藤投手コーチを驚かせたのは、ストレートの腕の振りの確認を兼ねて10球ほど投げたカーブだった。 「真っすぐが売りの投手だが、いいカーブを投げる。昔、ドロップと呼んだ縦に落ちるカーブ。これは武器になると思う」