【解説】SNS戦略で新たな疑惑が浮上した斎藤知事 PR会社社長の行為は『アウト』か『セーフ』か 選挙のプロに聞いた
■選挙サポートのプロに聞く「抵触するかどうかの判断は?」 ポイントは「いつ選挙に関わる活動をしたのか」
では今回、このPR会社の活動が実際にあったとすれば、何が問題なのか? この道25年、選挙サポートのプロフェッショナルのもとを訪ねた。 選挙コンサルタントの小野五月さん(67)。 これまで国会議員や首長などおよそ400人、800件以上の選挙に携わってきた。
■「プロフィール撮影」はOK
まず、コラムに書かれていた「プロフィール撮影」や「ビジュアルの一新」についてだ。 (Q.〇×でいうと「プロフィール撮影」は?) 選挙総合プロデュース会社 小野五月代表:もちろん大丈夫。知事選など大きい選挙の場合は、基本的には撮影代も公費請求に含まれますし、合法ですね。キャッチフレーズをとか、見た雰囲気で決めるとかもやりますが、全然やっていく仕事です。 では、斎藤知事を再選へと導いたとも言われている「SNS」について。 選挙総合プロデュース会社 小野五月代表:政治活動としてXを作る、SNSを作ることはずっと前からOK。もともとこのXを作ったのはたぶん“選挙運動の期間”に作ったわけじゃないと思う。 小野さんによると、法律上の問題となるかどうかの分かれ目は、このPR会社が“いつ選挙に関わる活動をしたのか”。 対価をもらって選挙コンサルトの仕事として活動する場合、「選挙期間中」に得票に繋がる行為は禁止されているというが、それ以前だと問題ないそうだ。
■「PR会社代表が選挙運動に関わっていた認識が、斎藤知事にあるのでは?」と専門家の指摘
一方でコラムにも掲載されている、“この写真”には問題があるのでは、と指摘する。 (Q.選挙カーに乗る活動は?) 選挙総合プロデュース会社 小野五月代表:コンサルティングで選挙期間中に入る場合、基本的に表には出ない。表に出ると誤解まねく。(選挙)運動してるんじゃないかと。斎藤知事自身が『これはボランティアだ』と言うと、これが選挙運動に直接、あるいは間接的に、関わっていることを認めている。 小野さんが注目したのはPR会社の代表が、選挙カーに乗ってスマホで撮影したことなどを、斎藤知事が「ボランティア」と表現したこと。 つまり、“PR会社代表が選挙運動に関わっていた”認識が、斎藤知事にあったことの証ではないかと指摘する。 選挙総合プロデュース会社 小野五月代表:われわれが選挙に関わる、これをなりわいにして対価をもらう以上、ボランティアとミックスに入るということは、まずない。午前中、ポスターを貼ってもらったのは、『労務として費用を払います』、『午後からはボランティアで』というのは、非常にややこしい。午後の分も上乗せして払っているんじゃないかと(疑われる)。