親子の体験が新聞に! 東京ドームシティの「世界に1つだけの思い出新聞」で探る生成AIの新たな可能性
注力した「体験設計」、回答しやすいコミュニケーションデザインに
同サービスは、東京ドームのマーケティング企画部とデジタル戦略部、及び外部パートナーのHakuhodo DY ONEが連携して開発された。マーケティング企画部が目的とする「顧客理解の深化」と「顧客の体験価値向上」を起点に、デジタル戦略部とHakuhodo DY ONEが持つデジタルや体験設計の知見を盛り込んでいる。
同サービス開発の一番のねらいは「顧客の体験価値向上にある」とマーケティング企画部で統括主任を務める矢倉和雄氏は話す。
┌────────── 近年トレンドになっている生成AIを手段として活用しながら、お客様に楽しさを提供するサービスを作りたいという思いが発端になっています。アイデア自体はHakuhodo DY ONEさんの提案で、世の中でも類似例が見当たらない先進性や形として思い出に残る点がユニークだと思い、実用化にいたりました(矢倉氏) └──────────
サービスのこだわりは随所に表れているが、特筆すべき注力ポイントは「体験設計」だと、Hakuhodo DY ONE DXコンサルティング本部 シニアマネージャー/チーフAIストラテジストの中原柊氏は言及する。
┌────────── 生成AIのシステム基盤には会話型AIに特化したプラットフォーム『miibo』を使用し、利用者が気持ちよく回答できるコミュニケーションデザインにこだわりました。たとえば、『今日の体験はどうだった?』といったラフな質問ではなく、『アドベンチャーオーシャン(エリア名)ではボールプールで遊んだ?』『すべり台をすべるときはワクワクした? それともドキドキした?』など具体的な名称を出して聞いたり、選択肢を提示したり、といった具合です(中原氏) └──────────
チャットボットの会話に加え、新聞の文章作成も生成AIが担っている。その際、構成や文章の要素において、「見出しには名前と感情を入れる」「本文は体験日の日付から始まり、その日に遊んだ体験や感想を盛り込む」などAIにあらかじめ指示を与えているそうだ。