ついに小松島競輪場で初のガールズ開催!涙のデビュー戦から2Vの成長、大ケガ乗り越えた地元の22歳が瞳輝かせる/藤原春陽インタビュー
日々熱き戦いを繰り広げているガールズケイリンの選手たち。今回はクローズアップするのは、26日から始まる小松島競輪初のガールズケイリン開催を地元代表として迎える藤原春陽選手(22歳・徳島=122期)。競輪選手の父を持つ“2世レーサー”で、度胸満点の走りが魅力です。デビュー戦での涙から2年、2度の優勝を挙げ、GIにも出場する充実ぶりでしたが、今年2月に初めて落車で大ケガを負ってしまいます。
父のレースを正座で見た少女時代
藤原春陽は徳島県小松島市の出身。父は競輪選手の藤原義浩(76期)で、小さいころから競輪が身近にある環境で育った。父がレースを走るときは家族そろって正座で父のレースを見ていたという。 中学校ではバレーボール部で活躍したが、あまり身長が伸びず高校では新しいことを始めたいと思っていた。そのタイミングで父から「自転車競技はどうかな?」と勧められ、父の母校である徳島県立小松島西高校への進学を決めた。
自転車競技への挑戦を決断「父はうれしかったみたい」
小松島西高校は室井健一(69期)、竜二(65期)や太田竜馬(109期)など競輪選手を多数輩出している自転車競技の名門校。自転車競技部の門をたたくと、同級生には121期でプロデビューした小川将二郎がいた。 「入部したときはまだガールズケイリン選手を目指すつもりではありませんでした。強くないと選手にはなれないと思っていたので」 しかし競輪選手である父のほうが張り切っていたようで…? 「父は高校入学が決まったらすぐ、自転車の道具をいろいろ準備してくれた。私が自転車競技を始めることがうれしかったのかも。やめるにやめられなくなったことは覚えています(笑)」 当時は驚きもあったようだが、同時に父への感謝を口にした。 「でも父には感謝しています。練習でも部活以外のとき、小松島競輪場に連れて行ってくれた。試合が近いときはバイクで引っ張ってくれたり。父のおかげで続けることができたと思います」
ガールズケイリン目指す決意
高校から始めた自転車競技に手ごたえを感じたのは思いのほか早く、高校1年の冬だった。初めて経験する全国大会の舞台、高校選抜で5位入賞し「もっと強くなりたい」と思った。この手ごたえがガールズケイリンを目指すきっかけとなった。 ギアを上げて部活に熱中した藤原は、高2の夏のインターハイでは3位と順位を上げる。しかし新型コロナウイルスの影響で高2冬の選抜、高3夏のインターハイが続けて中止になってしまった。 「成績がよくなっていたので、高3のインターハイはいい結果を出したかったのに…。代替大会があったけど、父が『養成所の試験が近いから欠場したほうがいい』と言ってきたんです。自分は高校最後の大会だし挑戦したい気持ちが強かったけど、結局養成所の試験を一番に考えて自粛しました。でも父のことは一生恨みます(笑)」 競技生活は不完全燃焼に終わってしまったが、ガールズケイリンという夢の実現のため練習に打ち込んだ。