ついに小松島競輪場で初のガールズ開催!涙のデビュー戦から2Vの成長、大ケガ乗り越えた地元の22歳が瞳輝かせる/藤原春陽インタビュー
落車で大ケガ、試練の前半戦に
今年はここまで試練の前半戦となっている。 2月の高松でゴール前落車。初めてのレース中の落車で、右鎖骨骨折と靱帯損傷の大ケガを負ってしまった。 「まさかでした。落車で骨折することがこんなに痛いのかと…。手術をしたあとも痛くて腕が上がらないし、涙が止まらなくて」 人生初の落車での大ケガ。気持ちがふさぎ込みかけたが、4月高知のガールズフレッシュクイーン出場の知らせが届く。 「落車した高松は父と一緒の参加だったんです。父が徳島の選手に鎖骨の手術のことをいろいろ聞いて回ってくれて、いい先生に巡り会えました。その先生が『普通なら復帰まで3か月かかるけど、1か月半で復帰できるようにやりましょう』って言ってくれた。それならフレッシュクイーンに間に合うと思い、リハビリも頑張りました。フレッシュクイーンは絶対に出たかったんです。地元四国地区でのレースだし、ケガで諦めたくなかった」 ケガが癒え、自転車に乗り始めたのはフレッシュクイーンの1週間前。急仕上げで高知に向かったが、練習不足は否めず不安は大きかった。レース本番、いきなりスタートで出遅れ不安は的中してしまう。 「道中はドキドキが止まらなかった。ダッシュ勝負になるのが一番嫌でした」 しかし勝負所でのペースはスローで、ダッシュ勝負にはならなかった。藤原はレースの流れに乗り、内を踏み切って4着と奮闘を見せた。
地元・小松島でガールズ開催がスタート
直近5月、6月の普通開催では予選で1着を取るなど、雰囲気は上昇ムード。いよいよ始まる地元小松島でのガールズケイリン開催に向けて準備は万端だ。 「鎖骨の状態はもう大丈夫。違和感なく練習できています。今は落車をする前よりやる気がみなぎっています。鎖骨が折れて気持ちが変わった。鎖骨が折れてこのまま弱くなるのは嫌だと思い、より練習に励むようになりました」 これまで全国の競輪場のなかで小松島だけガールズケイリンが行われていなかったが、6月26日からついにガールズ開催が始まる。これで、開催を行っているすべての競輪場でガールズケイリンが実施されることになった。 小松島競輪場は宿舎を新築し、女子専用の控室をつくった。藤原も施設を見学したといい「全国で一番の施設だと思います。お風呂も24時間入れるんです」と太鼓判だ。 現在徳島に在籍しているガールズ選手は122期の藤原春陽と126期の豊田美香の二人のみ。まだ22歳の若手ながら、26日からの開催に地元代表として臨む藤原は率直な心境を話してくれた。 「もっと強くなってから走りたかった(笑)。でも地元戦はやっぱり1着を取りたい。地元ファンの前で勝つってカッコいいですよね。知り合いも見に来てくれると思うし、いいところを見せたいです」 この開催は今年のGIウィナーである児玉碧衣、石井貴子(千葉)にパールカップ準Vの奥井迪も参加予定だ。強敵ぞろいのシリーズだが、藤原の心は燃えている。 「濃いメンバーですが、頑張りますよ。見に来てくれた人がガッカリするようなレースはしたくないので」 初の地元戦に瞳を輝かせる藤原。実はここで新車を投入する予定だという。彼女のトレードマークである牛柄の自転車のイメージが強いが…。 「新車の色や柄は本番まで楽しみにしていてください。セッティングは今、父と頑張って出しています。今回は参加メンバーが強烈なので、『めざせ決勝!』の気持ちで頑張る」と力むことなく開催に臨む。 気持ちを前面に押し出す攻めのレースで存在感を発揮する藤原春陽。大ケガを乗り越え、やる気モードに突入した今、小松島初のガールズ開催で強敵相手に臆することなく挑んでいく。