ついに小松島競輪場で初のガールズ開催!涙のデビュー戦から2Vの成長、大ケガ乗り越えた地元の22歳が瞳輝かせる/藤原春陽インタビュー
念願の初優勝直後、暗黒期に突入…
デビューから10か月目の2023年2月小倉。ついに初優勝をもぎ取った。決勝戦は判断よく最終4角から内に進路を取り、最内のコースをしっかり伸びきって1着。藤原春陽らしさを感じる優勝だった。 「うれしかったけど、内側追い抜きの審議対象になっていないか不安になりました。確信を持って内から抜いたし、1着の感覚はあったけど、審議ランプが付かないかドキドキしていたことを覚えています」 初優勝は思い出に残る大事な一戦となったが、目標を達成したことでそれまで張り詰めていた糸が切れてしまう。 「初優勝のあとは気持ちが切れてしまっていたと思います。戦法に迷いが出てしまいました。なかなか1着が取れなくなり、どうすればいいか分からなくなっていました」 ふがいない日々が続いていた自分を奮起させるために、藤原は新しい目標を立てる。それが“GI出場”だった。 「5月の武雄で周りの人から『GI(オールガールズクラシック)に出られる可能性があるよ』って声をかけてもらったんです。それを知って『GIに出たい。GIで結果を出したい』って思いました」 それからは6月末の選考期間まで、追加あっせんも受け一生懸命走った。そして初めてのGI出場権を獲得。122期では唯一の出場だった。 「出場できることが決まってからは、このままだとGIでは3日間7着とか、隊列からちぎれて終わってしまうと思い、新しい練習を取り入れました。筋トレです。効果が出るのは3か月後と聞いていたので、10月のオールガールズクラシックのときに結果が出ればと思って始めたら、成績が良くなっていきました」
初めてのGIでの収穫がVにつながる
迎えた10月のGI『第1回オールガールズクラシック』。4着、6着、3着と勝ち上がりは逃したが、最終日は車券に絡んだ。 走り終えての感想は「何もできなかった」の一言。上位陣の高い壁を乗り越えることはできなかった。しかし負けた中でも収穫はあった。 「3日間7着ではなかったし、ちぎれることもなかった。GIに向けてやってきたことは間違っていないはずだと思いました」 GI参加でモチベーションが上がると、12月に自身2回目の優勝を達成した。初優勝と同じ小倉バンクだった。 「勝てそうな予兆は全くなかったんですけどね(笑)。でも小倉のバンクは外に跳ねるから最終バックで前の方にいないといけないということは頭の中に入っていた。松井優佳さんの先行も強かったし、番手で展開が向いた優勝でした」