フランス流! 選書のプロが教えるセンスのいい本棚の作り方
年末年始は読みたかった本を読んだり、新年あらたに読書熱が高まる人も多いはず。フランスで本のキュレーションをする女性たちは、どんな視点と感性でブックセレクトしているのか? 本選びや本棚づくりの参考になるティップスをお届け。
エマニュエル・オド/「ピエス・ア・パルト」創設者
イマジネーションを広げる本との出会いが自分を変えた エマニュエルはラグジュアリー業界でキャリアをスタートさせ、その後、アートバイイングや展覧会のキュレーションでその才能を発揮。この経験を経て、マルセイユにクリエイティブスタジオ兼書店「ピエス・ア・パルト」を立ち上げることに。本のキュレーションに初めて携わったのは、“海”に特化した選書を行うオンライン書店をスタートしたときで、展覧会のキュレーター業務の傍ら、精力的に活動していくうちに本に夢中になった。そのプロジェクトを皮切りに、多くのブックセレクトを手がけるようになり、「Tuba Club」「Hameau des Baux」などのホテル、コンセプトストア「Sessùn Alma」など、マルセイユや周辺エリアで活躍している。「私が目指しているのは、本そのものへの関心を高め、物語やイマジネーションを再発見してもらうこと。本のキュレーションは、忘れ去られた書籍や新しい形の文学に目を向けさせることでもあります」。選書を手がけた「Hameau des Baux」ではプロヴァンスに関連する書籍や、ジャン・ジオノが執筆しパブロ・ピカソがイラストを手がけた古書が並び、工芸とライフスタイルがテーマの「Sessùn Alma」では、洋服、陶器、木工がテーマの幅広いセレクションが並ぶ。「今後も本とアートを体系的に組み合わせた選書を行っていきたい」
■エマニュエルの選書のポイント 出版社からの情報のほかに、アルル国際写真フェスティバル、文学賞、ローカルな蚤の市や骨董市でも本をリサーチしているというエマニュエル。「私らしい選書のスタイルは必ず、本とアート作品を結びつけ、過去を再解釈すること」