常識破りのウイスキー革命 世界的酒類コンペで快挙
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若い世代をウイスキーに振り向かせたハイボールが、さらに進化しています。 はじける泡立ち。強炭酸による無数の泡がジョッキの中で踊ります。 ウイスキーの復権を狙った角ハイボールの誕生から16年。 老若男女、幅広い世代から愛され続けています。 角ハイボール“生みの親” 奈良匠ウイスキー部長: 当時、経営としてはそれだけ売り上げが落ちていますので、われわれは若手メンバーでしたけれども、最後の闘いぐらいの感じで。 ラストチャンスでつかんだ驚異のV字回復。 そして、今なお衰えない人気のわけとは。 10月に行われた飲料大手サントリーの記者会見。 サントリー 常務執行役員・森本昌紀スピリッツ本部長: 大変うれしいニュースが飛び込んでまいりました。本年度ISC2024におきまして、サントリーウイスキーの顔であり、ベストセラーである角瓶が、ジャパニーズウイスキー部門で金賞を受賞。 世界的な酒類のコンペティション「INTERNATIONAL SPIRITS CHALLENGE」で、サントリーのウイスキーが相次いで受賞。 中でも、角瓶は実勢価格2000円以下というスタンダード価格のウイスキーとして快挙を成し遂げました。 その角瓶のヒットのきっかけは16年前、ウイスキーを炭酸で割る角ハイボールです。 当時の状況について、角ハイボールの生みの親である奈良匠ウイスキー部長は、「ウイスキーが1983年がピークで、それをピークに25年間ダウントレンドということで、当時のウイスキーのイメージでいきますと、特に若い方、おやじくさい、おじさんのお酒、1軒目で飲むお酒ではない。あとはやっぱり度数が強い」と話しました。 ターゲットは、ずばり若い世代。 炭酸で割ることで、アルコール度数を下げてすっきりとした飲み口に。 また、ジョッキでごくごく飲むスタイルを提案した他、テレビCMや飲食店へのセールスを積極的に展開するなどして人気が爆発。 これ以降、角瓶をはじめウイスキーの売り上げはV字回復しました。 角ハイボール“生みの親” 奈良匠ウイスキー部長: (ハイボール)導入店に行ってみるとですね、ビールは飲むんですけど、ハイボールを非常に飲んでいる姿を見て、やっぱり「これはいけるぞ」と自信を持った。 その後も、ハイボール缶を発売して家庭でも広く親しまれるなど、進化を続ける角ハイボール。 東京・新宿区にある焼き鳥店「我楽多酒場」は、極限のおいしさを追求した「頂店ハイボール」が飲めるお店としても人気。 氷は山盛り、レモンは先に軽く絞るなど、一定の条件をクリアしたハイボールで、サントリーの営業担当者が作り方をチェックするなど、おいしさのあくなき追求を続けています。 我楽多酒場 新宿店・福永晃記店長: 日本で作られたウイスキーなので、日本人好みの味かなと思います。結構、飲みごたえもあって、一杯じゃ終わらないお客さんも多いですね。 角ハイボール“生みの親” 奈良匠ウイスキー部長: ハイボールって、誰かが“生みの親”ということではないと思っていて、当時も今もハイボールを立ち上げた人、俺がやったという人って、言ったら100人ぐらい手が挙がる。本当に何か、いろんな人が「俺がやったんだ」という熱量とか、温度感も良かったんじゃないかなと思う。ハイボールで(ウイスキーを)飲む人が増えて注目が集まって、しかもウイスキーの品質もそれによって改めて見直されるようになった。 ジャパニーズウイスキーの人気を支える角ハイボール。 さらなる飛躍を目指して進化は止まりません。