中国は「歴史のゴミ時間」をたどっている…!習近平の「苛政」で海外脱出が続出、日本にやってくる中国人がいま「本当に考えている」こと
中国で広がる「社会報復」
中国東北部黒竜江省の村に一頭の白頭山トラが降りてきて、65歳の住民の左腕を噛んで逃げるという事件が発生した。11月18日のことだった。幸い、被害者は病院で手当てを受けているとのことだ。 【写真】これはヤバすぎる…!中国で「100年に一度の大洪水」のようす 前編『中国で「山から降りてきたトラ」が人間を襲って大騒動に…!黒竜江省で出現したトラから「習近平」を連想してしまう“決定的なワケ”』で紹介したが、日本でもクマに襲撃される事件が多発しているが、幸いにも虎に襲われる心配はない。筆者は「苛政は虎より猛し」という中国の古いことわざを思い出した。 民衆を苦しめている政治は、人を食う虎よりも恐ろしいという含意だ。中国政府の過酷な政治は、社会報復というトラとなって、いま人々の目の前に立ちはだかっている。
若者に広がる「歴史のゴミ時間」という絶望
若者の間で「歴史のゴミ時間」というフレーズが流行している。中国の社会発展は不可逆的に悪化し、指導者が何をしても救うことはできないという認識だ。 中国政府は世界に冠たる監視システムを構築したが、雇用難など災いして無差別殺傷事件が多発している。 中国政府が面子を重んじるがために国民から異議申し立ての手段を奪ったことが大本の要因だ。窮地に追い込まれた国民は極端な行動(犯罪)に走ることでしか自らの苦境をアピールできなくなってしまった。 そのせいで国民の体感治安は極端に悪化している。これほどの皮肉はないと言っても過言ではないだろう。 社会報復の標的は子供から学生、高齢者にまで広がっているが、犬などのペットにも被害が及んでいる。広東省広州市の公園で11月8日、多くの飼い犬が嘔吐し、中毒死する事件が発生した。 中国の昨年の犬猫の飼育頭数は約1億9000万を超え、日本の12倍の規模に達している。空前のペットブームの下で起きた今回の事件で中国人の社会に対する不安はさらに高まったことだろう。 専門家はメンタルヘルス環境の改善などを提案しているが、中国政府は「五失人員」を未然に察知する取り組みを強化する構えをみせている。五失とは、投資の失敗や生活への失意に加えて、人間関係の調和喪失、心理面の不調、精神異常が入る。 このことは中国政府が国民一人一人の内面にまで介入してくる危険性があることを意味する。中国人の脳裏に「文革時代が再来する」との不安がよぎっていることだろう。 苛政は、中国人の海外脱出をさらに加速させるのではないか。