更年期の女性のための「骨粗しょう症」にならない生活習慣とは?
更年期の女性にとって、「骨粗しょう症」は重要な健康課題の一つです。日常生活の中で、骨粗しょう症のリスクを減らすためにできることはあるのでしょうか? 今回は看護師の安部さんに、骨粗しょう症予防のために更年期女性が取り入れるべき生活習慣のアドバイスを解説してもらいました。 [この記事は、Medical DOC医療アドバイザーにより医療情報の信憑性について確認後に公開しております]
閉経後の女性は骨粗しょう症に注意? なぜ?
編集部: 骨粗しょう症はどのような病気ですか? 安部さん: 骨粗しょう症とは、さまざまな理由で骨がもろくなった状態を指します。「骨を強くする・骨を作る」というと子どもの成長期のイメージがありますが、大人でも古い骨を壊して新しい骨をつくる新陳代謝が行われており、これには女性ホルモンのエストロゲンが関与しています。骨量は20歳頃がピークでその後減少し、閉経後の女性はホルモンの影響で急激に骨量が減少します。さらに加齢やカルシウムの不足などで代謝のバランスが崩れてしまうと、失われた骨量は十分に回復できません。 編集部: 更年期の女性は骨粗しょう症に気を付けた方がいいのですね。 安部さん: はい。閉経前後の10年が更年期にあたり、卵巣から分泌されるエストロゲンの影響で骨を壊す作業がより強くなります。また、女性だけでなく男性も加齢による骨粗しょう症に注意しましょう。男性ホルモンを材料にしてエストロゲンが作られますが、分泌量は少ないものの重要な働きをしています。ただし、閉経後の女性よりも男性のエストロゲン値は高く、急激なホルモン低下はありません。 編集部: 骨粗しょう症は、高齢者がなる病気だと思っていました。 安部さん: 確かに、骨粗しょう症は骨折して初めて気がつくことが多いので高齢者の病気と思われますが、40~50代でも骨粗しょう症になります。原因は運動不足、飲酒喫煙、遺伝や薬の影響などさまざまです。偏食や極端なダイエットにより若い女性の骨粗しょう症も問題になっています。若い時に骨量を多くしておくことが大切ですが、更年期の女性が今からできるのは骨量を減らさない取り組みです。