晴れの舞台の裏側に驚く! オリンピックを題材にした映画5選!
実話を基にしたエンタメ映画!『クール・ランニング』
オリンピックを描いた映画は全体にシリアスなもの、感動系が目立つ。その名で異彩を放つのが、公開当時、日本を含めて世界中で話題になった本作。ウィンタースポーツとは無縁のカリブ海の国、ジャマイカが、冬季オリンピックのボブスレーに出場するという特大サプライズは、映画にとって最高の題材となった。基本は実話ながら、他の多くのオリンピック映画とは違って、フィクション部分をたっぷり入れ込んだことで、エンタメとして楽しめるのもポイント。 1988年のソウルオリンピックに陸上100mで出場を目指したデリースが、選考会のアクシデントで落選。たまたま地元にボブスレーの元金メダリストのアメリカ人がいたことから、デリースは仲間を集め、同年のカルガリー冬季オリンピックにボブスレーで出場しようと練習に励む(当時は夏・冬のオリンピックが同じ年に開催されていた)。ボブスレー未経験のデリースらが、草原で滑ったり、冷蔵庫で寒さに身体を慣らしたりする姿に素直に爆笑。ジャマイカらしいレゲエ音楽に乗った彼らの奮闘は、とことん微笑ましい。オリンピック現地では白い目で見られながらも、レース本番の盛り上がりは異様なテンションだ。元メダリストのコーチを演じたのは、ハリウッドを代表するコメディ俳優のジョン・キャンディだが、本作公開の翌年に43歳で急死。その名人芸も目に焼き付けてほしい。
文=斉藤博昭 text:Hiroaki Saito