DJイベントで“心肺蘇生法”を実演!?SMAPやビートルズの楽曲で「ポイントは心臓と同じBPM」
昨今、南海トラフ地震や水の事故、台風など、心配なニュースを多く耳にします。災害備蓄や避難のためのハザードマップなどを見直した人も多いかもしれませんが、いざというときの“人命救助”について考えたことはあるでしょうか。 【写真】DJイベントで心臓マッサージ!? 「ハート・ビート・DJ」の様子 突然、心肺停止状態となった人の命を救うカギとなる“心肺蘇生法”。運転免許を持っている人であれば自動車学校で習いますし、それ以外にも、1度は講習を受けた経験があるという人も多いかもしれません。 筆者も講習を受けた経験があるのですが、いざというときの人命救助としてとても大切な知識であると理解すると同時に、やはり簡単な作業ではないため難しさを感じる部分もありました。なかでも、心臓の動きを止めないためにリズム良く続けることが必要な“心臓マッサージ”は、なかなか大変です。 そんな心臓マッサージを、DJの音楽にのせて行うイベント「ハート・ビート・DJ」でDJを務めたのが、岸野雄一さんです。今年3月、隅田公園(東京都)で実施され、SNSを中心に話題となりました。 非常に画期的だと感じたこの取り組み、一体どのようにして生まれたのでしょうか? 同イベントでDJを務めた岸野さんは、京都精華大学の講師としての活動のほか、音楽や映画に精通していることからさまざまな活動を行っています。最近は特に、「人と人とのつながりを大切にしたい」という思いから、公共の場である公園でのイベント企画を精力的に行っているそうです。 防災士の知人から「心臓マッサージのリズムで曲の演奏を行うことはできないか」との相談を受けた際に、“DJ”というスタイルを思いついた岸野さん。こうして、2023年から「ハート・ビート・DJ」がはじまり、今年の春に2度目の開催を迎えました。 「心臓の速さと同じといわれる曲を使用することで、緊急時も落ち着いてリズムを取ることができる」と、岸野さん。「歌を使用することによって、歌詞の1番は自分(が心臓マッサージをして)、2番からは次の人……というように、交代のタイミングにもなる」と説明しました。 ポイントとなるのは、曲の速さを表す「BPM」。1分間に何拍あるかを表す数字で、心臓マッサージにはBPM100~120がおすすめなのだそう。 有名な曲だと、SMAP『世界に一つだけの花』(BPM99)や、ビートルズ『オブ・ラ・ディ、オブ・ラ・ダ』(BPM113)などが挙げられます。 同イベントは隅田公園で開催されましたが、岸野さんは「いろいろなところでやってみてほしい」と話します。イベントに参加する以外にも、自宅でも曲を流せば枕などを使って練習することも可能です。 もちろん、緊急時なんてないほうがいいのですが、もしも目の前で人が倒れてしまったら……。いざというときに動けるよう、普段から練習しておくことが大切ですね。 (取材・文=洲崎春花)
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