「医師」の「ベストセラー作家」が、「やりたいことが見つからない」と悩む人へ送った”意外なアドバイス”…!
外科医として年間約200件の手術をし、「泣くな研修医」など人気シリーズを発表し続ける小説家で医者の中山祐次郎さん。医者という超多忙な激務の中で、それでも書き続ける理由はいったい何なのか。そして、中山氏はいかにして「天職」に出会ったのか――。3万部突破した話題の新刊・息子に向けて綴った”遺書”『医者の父が息子に綴る 人生の扉をひらく鍵』より、中山氏が失敗や挫折を乗り越えて、やりたいことに打ち込むようになった"知られざる理由"を明かします。 【写真】早慶、上智、明治…史上初の学部別「序列ランキング」を全公開する!
「意味のないこと」に打ち込むことの意味
「何かに夢中になる」ことは、君の将来にどんな意味を持つだろうか。 僕は、プロのサッカー選手になるつもりはなかった(つもりがあってもなれなかっただろう)。だから、中学、高校、大学と合計11年間も週5日サッカーをやったのは、壮大な時間の無駄だという見方もある。せいぜい、体が少しだけ頑丈になったかもしれない。 でもじつは僕はそんなに体力はないし、運動をしてこなかった人よりもしょっちゅう風邪を引くから、その意味はあまりなかったかもしれない。 でも、僕はサッカーを夢中でやった。学生だった頃は、楽しくてしょうがなかったからやったんだけど、大人になってから振り返ると、この「意味のないことを一生懸命やること」に重要な意味が二つあることに気がついた。それについて説明したい。 「意味のないことを一生懸命やること」。 まず一つは、「何かに全力で挑戦した経験」を何度もしたことで、僕の体に良いクセとして身についた、と言える。挑戦というのは、小さい大会で優勝したい、とか強豪校に勝ちたい、とかいろんなものがあった。 結果は、成功も失敗もあった。 成功は自分への強い自信になる。「俺は、本気を出せば狙った目標にしっかりと到達ができるのだ」という自信だ。 これは、僕が外科医を目指す時だとか、初めて本を書いて出版を目指す時、小説を書いて出版を目指す時にとても大きく貢献した。この自信があるから、33歳で「自分の書いた本を世に出そう」などと無謀なことを始められたのだ。 もちろん、挑戦の中には本気でやったのにまるでダメだった、苦しい経験もある。 こういう経験は、「人生への達観」になると僕は思っている。達観とは、「ああ、人生ってのはなかなかうまくいかないもんだな」という気持ちだ。