花粉症が市街地で多いのはなぜ? PM2.5以上に厄介な原因物質も
日本気象協会は2月24日、今春のスギ・ヒノキ花粉の飛散予測(第4報)を発表した。すでに九州ではピークに突入しており、福岡は2月下旬から3月上旬、高松や広島、大阪、名古屋、東京は3月上旬から中旬にかけてピークを迎えるという。 今年の花粉の飛散開始は例年(2004-13年の平均値)よりも1週間ほど早く、1月下旬から2月初めに九州から関東地方の多くの所で花粉シーズンに入った。東京都心では2月3日にスギ花粉の飛散開始が確認された。これから迎えるピーク時期は気温や飛散量と関係する。3月の気温は“平年(1981-2010年の平均値)並み”か“低い”と予想されるが、ピーク時期を遅らせるほどではなく“例年並み”とのこと。
飛散量が多い四国・近畿・北海道
花粉の飛散量は、九州は例年並みで、四国と近畿地方のほとんどの地域および北海道では例年よりもやや多く、東海から東北地方は例年より少ない見込みだ。全国的に飛散量が多かった昨年(2013年)との比較では、今年は九州から東北地方にかけては少なく、とくに本州の日本海側と関東甲信地方は非常に少ないとみられる。北海道(シラカバの花粉)は昨年の飛散量が少なかったため、より多くなるとの予想だ。
サラサラした“水”のような鼻水
花粉症は、植物の花粉が鼻や目などの粘膜に接触することで引き起こされるアレルギー反応だ。くしゃみ・鼻水・鼻づまり・目のかゆみが“四大症状”で、サラサラした“水”のような鼻水が、一般的な「鼻風邪」の鼻水とは異なる。これらの症状は、ヒトの体が花粉を外に出すために、「くしゃみ」で吹き飛ばしたり、「鼻水」や「涙」で花粉を洗い流そうと、起こしているのだ(厚労省「花粉症Q&A」)。 日本での花粉症は、戦後に進駐軍が米国から持ち込んだ「ブタクサ」によるものが最初の発見(1961年)とされる。スギ花粉症については63年ごろの発見報告が端緒となり、その後、盛んに研究されるようになった。今では、主因となるスギやヒノキのほかイネ科、キク科などの約60種類の植物の花粉が原因として知られる。