稀に見る、つまらぬ石破首相の所信表明演説 目指す国家像は何なのか 対中認識も甘すぎないか…全くやる気のないことがハッキリ
演説の冒頭と最後に石橋湛山(元首相)の言葉を引いたのも、自分が語るべきことがないからだろう。
立憲民主党の野田佳彦代表が「石橋湛山の言葉は残ったけど、石破首相の言葉が残らない。えらい差だ」と酷評していたが、全く正しい。
石破首相は石橋湛山がいたくお気に入りのようだが、ぼくは石橋湛山は政治家としてより、ジャーナリストとして評価している。
すぐれて言葉、言論の人なのだ。
そんなに湛山が好きなら、もっとその点を学べと言いたくなる。
憲法改正について、ほとんど触れなかったことも(時間にして1分ほどか。朝日の再録では600行を超える中、たった10行)、予想通りとはいえ、失望した。
「憲法審査会において建設的な議論を行い、国民的な議論を積極的に深めていただくことを期待します。」
衆院憲法審査会の会長が立憲民主の枝野幸男氏になった時点で、石破内閣での憲法改正はとても無理だと思ったが、石破首相の所信表明で、全くやる気のないことがハッキリした。
近来、稀(まれ)に見る、つまらぬ所信表明演説だった。 (月刊『Hanada』編集長・花田紀凱)