米株弱気相場入りの可能性は低い、堅調なGDPが支え-JPモルガン
(ブルームバーグ): JPモルガン・チェースのトレーディングデスクによれば、米国株の急上昇に対するリスクは高まっているものの、力強い経済成長を背景に弱気な下げに陥るシナリオは引き続き「可能性が極めて低い」。
グローバル・マーケット・インテリジェンス責任者を務めるアンドルー・タイラー氏率いるチームは6日、顧客向けリポートで、S&P500種株価指数が2年連続で20%を超える上げを記録した後で、米国株は4ー5%の値下がり、あるいは10%の調整が入る可能性はあると指摘。その上でトレンドを上回る国内総生産(GDP)を手掛かりに強気相場は維持されるとの見方を示した。
タイラー氏は「収益の変動性が高まることは予想しているが、マクロデータは引き続き上向いており、より良好な決算シーズンを見込んでいる」と述べた。企業が示す見通しが不透明になることが今度の決算発表シーズンでは最大のリスク要因だが、米新政権発足を前に企業は明確な情報をほとんど示すことができない可能性はある。
同氏は今のところ強気の姿勢を繰り返したが、弱気相場のリスクとして、人工知能(AI)に関連した株高の失速や債券利回り、企業利益、インフレ急加速、政策の不確実性、貿易戦争、米国の信用格下げなどを挙げた。
原題:JPMorgan Trading Desk Says Robust GDP Makes Bear Market Unlikely(抜粋)
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Alexandra Semenova