【全国高校ラグビー】「盛岡工」対「飯田」は大熱戦!壮絶な攻防の末に“劇的な幕切れ” 「近大和歌山」はうれしい花園初勝利
<飯田vs盛岡工業>両校が持ち味を発揮して大接戦
同じ第2グラウンドで行われた第2試合、飯田(長野)と盛岡工業(岩手)の激突は、最後の最後まで目が離せない壮絶な展開となりました。 FW陣を中心としたモール攻撃が武器の飯田と、ディフェンスからの切り返しとBK陣の決定力が自慢の盛岡工業。試合は両チームが持ち味を発揮して予想どおりの接戦となります。前半、先にペースをつかんだのは飯田。ハーフウェイライン付近からでもモールを組んで押し込んでいく徹底した攻撃で盛岡工業のディフェンスを引き寄せると、モールを押し込んだ後の展開から、6分、20分、26分と3つのトライで19対7とリードを奪います。一方の盛岡工業も少ないチャンスを生かして反撃。前半終了間際には敵陣10m付近のスクラムからBK陣がスピードある攻撃をみせてFB伊澤樹選手がトライ。19対12と、7点差に詰め寄って前半を終了します。 後半も先にスコアを動かしたのは飯田。またしても敵陣中央付近からモールを組んで盛岡工業のゴールラインにせまると、最後は左に大きく展開してWTB牛山健太選手がトライ。後半12分で24対12と、再び点差を12点にひろげます。しかし、ここから盛岡工業が一気の反撃。16分にBK陣が鮮やかなライン攻撃をみせて追撃のトライ。NO8でキャプテンの吉田勇玖選手がゴールも決めて5点差に詰め寄ると、23分には自陣10m付近のラインアウトからの攻撃で飯田ディフェンスの裏にうまく抜け出した吉田選手が、そのまま50m以上を走り切って中央にトライ。ゴールも決めて26対24とついに逆転します。 しかし、飯田もあきらめません。残り時間が刻々と少なくなりロスタイムに突入する中、自陣の深い位置からでも自分たちが1年間こだわって築き上げてきたモールからの攻撃で反撃を試みます。5分以上攻め続けてじわりじわりと前進、ついに盛岡工業のゴールライン近くまで攻め込みます。ここで飯田のモールの圧力の前に盛岡工業がたまらず反則。飯田に再逆転のチャンスが訪れます。 そのままモールで攻め続けてトライを狙うのか、PGでの逆転を狙うのか、飯田のキャプテン・北原慎一朗選手の選択は、PGでした。「チームのみんなが粘ってつないでくれたチャンス。みんなからは自分を信じて頑張ってくれと託された」と自らがキッカーとして逆転のPGを試みます。しかし、キックは無情にも右にそれてそのままノーサイド。両チームが存分に持ち味を出し合った大熱戦は、劇的な幕切れで盛岡工業が飯田に勝利しました。