胴体と上翼の合体!0.2mmピアノ線を使い張り線を再現【達人のプラモ術<ブリストル・ブルドックMkⅡ>】
ブリストル・ブルドックの製作も4回目となる今回は、いやいやいやいやお待たせしましたの張り線、そう!複葉機の製作では避けて通れない翼間に張り巡らされたワイヤーを張っていきます! 【製作風景を画像で詳しく見る】
■上翼の取り付け
張り線を張るにはまず、上翼を機体に取り付けないといけません。下翼側と胴体に翼間支柱を取り付けて、そこに上翼を固定します。ブリストル・ブルドックは左右の主翼に2本の支柱、胴体操縦席の前の左右にN字型の支柱があるだけですが、しっかりと強度が確保されており、またパーツの精度が高くピタっと角度も決まってくれるのがありがたいです。 古い複葉機のキットだと、翼間支柱の組み立てが上手くいかない、強度が確保できないといったことも多いので、ピタリと支柱の取り付け角度が決まってくれる本キットは複葉機ビギナーにもオススメと言えます。 上翼を組みつけたあとは、接着が完全に固まるまでしっかりと時間を取ります。今回はその時間を利用してタイヤを組み立てて塗装を進めました。 しっかりと固定したら、破損防止と塗装のために取り付けを先送りしていた機首の照準器、下翼上面の発電機も取り付けます。 翼間に張り線を入れてしまうと、これらのパーツは取り付けが難しくなってしまうので、この時点で取り付けておくのがベストです。
■複葉機の張り線
お待たせしました! 複葉機製作のキモ! 翼間張り線の取り付けです。 複葉機は翼を2枚重ねることで、エンジンが非力でも機体を飛ばすのに必要な揚力を確保でき、また運動性も良かったんですね(小回りが利いて格闘戦が得意)。第一次世界大戦で活躍した複葉機の多くは、翼が布張り、機体は木製だったこともあり、大きな翼は強度が保てない。そこで短い翼を上下に配置して、翼間や機体各部にワイヤーをめぐらすことで、機体の強度を保ちながら翼面積を確保していました。例外的に張り線のない機体もありましたが、張り線は複葉機を象徴する存在でもありました。 しかし翼間に張られたワイヤーは、空気抵抗が非常に大きく、飛行機の速度が向上するにつれてその存在が問題になりました。その後、製造技術の向上に伴う翼の強度向上で単葉機が登場。複葉機はその座を譲ることになります。 ちなみに現代の複葉機は機体強度が高いこともあり、張り線は使われていません。