高齢者には危険な「ストーブ」 冬場の暖房はどうやって使用すべき?
高齢者にとっては、暖房の使用が命に関わることがあります。ストーブの使用は火事のリスクが高いため、使い慣れていても避けた方が良いかもしれません。『PHPくらしラク~る♪』より、高齢者のための暖房の使い方についてご紹介します。 【マンガ】「要介護認定」の調査で、家族が注意すべきこととは? ※本稿は、『PHPくらしラク~る♪』2024年11月号より、一部を抜粋編集したものです。 ------------------------- おばあ:松原文子(90歳) 1934年生まれ。大工の棟梁の夫と若い衆、子や孫に料理を作り続けてきた。近年パーキンソン病を発症し、孫の手助けが必要に。料理や介護に奮闘する孫に感謝しつつも、感想は率直で手厳しい。 孫:大迫知信(40歳) 脱サラ後、おばあが作るちょっと変わった料理に支えられ、念願だった物書きに転身。著書『おばあめし』(清流出版)を出版。おばあが台所に立てなくなってからは、自らが作る"まごめし"を出している。 ・ブログ「おばあめし」 https://obaameshi.com/ ・Instagram https://www.instagram.com/obaameshi/ -------------------------
危険なストーブ、なんで使いたがるんや、おばあ!
【介護のプロに聞いてみた】 ――祖母の家の暖房は、エアコンにしたほうがいいでしょうか? 安全性や光熱費を考えるとエアコンがベストだと思います。でも多くの高齢者は、使い慣れたストーブがいいとおっしゃいます。お茶が沸かせて、そばに洗濯物を干すとよく乾くから便利やと...。実際にそうしている方のお部屋に行くと、火事になりそうでとても危ないです。 エアコンを使ってもらうには、家族や介護の担当者などが説得するしかありません。そのときのコツは、強く拒否されるようなら別の人に任せることです。
――夏場の冷房と同じように、リモコンは本人に操作させないほうがいいですか? そうですね。リモコンはご家族やヘルパーしか触れない場所で保管して、在宅時は常に暖房をつけておいてください。デイサービスの送り迎えの際や、ヘルパーの訪問時にエアコンを操作することをケアプランに組み込んでもらいましょう。本人に任せると「寒い寒い」とボタンを押しているうちに熱風が吹いていたり、反対に冷房になっていたりします。 また暖房は空気が乾燥しますが、加湿器は水の管理や内部の清掃が必要です。文子さんのように毎日、誰かが訪問するならいいのですが、そうではない場合は加湿器はやめたほうがいいですね。高齢者は暖房の使用が命にかかわります。おばあさまの暖房の管理、がんばってください! ――おばあには冬でも暖かく過ごさせます!
協力:一由麻里 おばあと孫が暮らす大阪・四條畷市で90年続く福祉の会社、畷ケアサービス(ちよの里)を営む3代目。介護の問題に直面するおばあの孫の相談に乗っている。 マンガ:いしづかちなつ 京都芸術大学マンガ学科卒業。認知症をわずらった祖父の介護にあたった6年間をマンガにした同大学の卒業制作『ころがる毎日』で優秀賞を受賞。
大迫知信(原作・文 ),いしづかちなつ(マンガ)