次のヒット作創出へ!講談社 マンガ部門の今後の行方
コミックのスピンオフを全社的に展開
多面的な展開については他の作品でも成功例がある。 「例えば『五等分の花嫁』は、フルカラー版やキャラクターブックなどいろいろな作品が出ています。この3月には初めてのコンビニ向け廉価版も刊行しました。児童図書の部署からもアニメ版のノベライズを出していたり、コミックに限らない展開をしています。 また『はたらく細胞』についても、非常に多くのスピンオフや関連商品を各セクションから出しています。児童向けにも展開しやすいコンテンツですので、絵本や『人体の不思議』といった図鑑、体の仕組みを学べるような本など様々なラインナップが出ています。『はたらく細胞BLACK』という、成人病などを題材にしたコミックも非常に売れており、8巻までの累計部数は100万部を超えています。その他に赤ちゃんの体内を擬人化した『はたらく細胞BABY』や白血球が主人公の『はたらく細胞WHITE』、筋肉の話に特化した『はたらく細胞マッスル』等々、非常に多岐にわたっています。 コミック作品のスピンオフは今やコミックだけにとどまらず、全社的にそのコンテンツを活用し多方面で商品化しています」(同) 今年のNHK大河ドラマ『光る君へ』の放送とともに、『源氏物語』を大和和紀さんが描いた『あさきゆめみし』が売れているという。 「『あさきゆめみし』は今年に入り勢いよく売れています。もともと超ロングセラー商品で、非常に長く売れ続けている作品ですが、大河関連のコーナーでもご展開いただいているようです。今もコンスタントに重版がかかっています」(同) ロングセラーといえば、講談社には『宇宙兄弟』などいまだ大きな部数の作品が複数ある。 「『宇宙兄弟』も2023年のタイトル別実売部数ランキングでは10位に入っています。連載のペースが基本的に月1のため新刊発売の間隔がかなり開くのですが、いまだに新刊は25万部を超えています。 このようなビッグコンテンツの安定的な売り上げが弊社のコミックを支えてくれているのは間違いありません」(同)