新型マクラーレン・アルトゥーラ・スパイダーには、繊細な味わいが加わりました 超高級スーパーカーのオープンモデルは爽快だ!
マクラーレンのPHEV(プラグイン・ハイブリッド)モデル「アルトゥーラ」に追加された「スパイダー」にサトータケシが乗った! 【写真を見る】新型アルトゥーラ・スパイダーの全貌(20枚)
25年モデルの大幅なアップデート
2022年に発表されたアルトゥーラに初めて乗ったときの驚きは、今もはっきりと思い出せる。 優に300km/hを超える最高速度を誇るスーパースポーツが、プラグイン・ハイブリッド・システムを用いて無音・無振動のEV走行をすることが新鮮だった。加えて、極低回転域ではモーターがスムーズに車体を加速させ、高回転域ではエンジンが炸裂するという電気とガソリンのコラボによるファン・トゥ・ドライブも斬新だった。 このアルトゥーラに、電動格納式のハードトップを備えるスパイダーが加わった。ちなみに、アルトゥーラは25年モデル(MY25)に移行するにあたり、かなり大がかりなバージョンアップを遂げている。この改良は、今回試乗したスパイダーにも、クーペにも適用されているという。 地面を炙るような太陽光線の強さにおそれをなして、屋根を閉じた状態でスタート。真っ先に感じるのは、クルマ全体の動きがすっきりとしたということだ。 まず乗り心地。アルトゥーラはデビュー当初から快適な乗り心地を提供していたけれど、4本のサスペンションがよりキメ細やかに伸び縮みするようになっている。快適性が増したというより、足並みが揃っていることを感じさせる、心地よい乗り心地になっている。 ステアリングホイールを握りながら、「スパイダーには、よりしなやかなセッティングのサスペンションが与えられたのか?」という考えが浮かぶ。けれどもどうやらそうではなく、ソフトウェアの改良で、マクラーレンがPDC(プロアクティブ・ダンピング・コントロール)と呼ぶ可変ダンピングシステムの応答速度が、90%(!)も向上していることが、効果を発揮しているようだ。 したがって、今回は試乗していないけれど、MY25のクーペも同様の乗り心地になっているはずだ。 「エレクトリック」「コンフォート」「スポーツ」「トラック」の4つのドライブモードのうち、最初の2つは電気の残量があればできるだけEV走行をするような設定になっている。EV走行での最高速度は130km/h、フル充電の状態だと最高で33kmのEV走行が可能となる。MY24までは31kmだったけれど、システムの効率化で航続距離が約6%伸びた。