前記録保持者の元近鉄監督が語る阪神ドラ1佐藤輝明の実力「王さん、イチロー級…今年は25~30本。3年目に3冠王を狙える」
ただ心配なのは阪神の育成力だ。 「ちょっとしたヒントをひとつ与えるだけで、佐藤はそれを3つも4つも感じて積みかさねていける選手だが、それができる指導者が阪神にいるかどうか」 佐々木氏はすでに起用法に疑問があるという。 「なぜ三塁で使わないのだろう。元々はサード。バッティングに通じるハンドリングの柔らかさがあり上手いサードになれる。華のある佐藤は、お客さんに近いサードが似合う。大山を一塁にコンバートすれば、巨人の黄金期を支えた三塁・長嶋さん、一塁・王さんのONに匹敵する布陣をこの先、数年にわたって作れると思う。外国人起用との兼ね合いがあるのかもしれないが、もっと先を見て決断すべきだ」 矢野監督には、マルテとサンズの2人を打線に組み込みたいとの考えがあり、そうなるとマルテ一塁、サンズ左翼が動かせず、佐藤の守備位置は右翼しかない。現場からすれば頭を悩ませるところだろうが、佐々木氏が主張するように、数年後をみすえて、佐藤三塁、大山一塁で内野を固め、外国人は外野に1人、あるいは2人というチーム編成にする決断が下されてもファンは納得だろう。佐藤の“試運転”は今日19日からのオリックス3連戦で終了。あと1本出れば、ドラフト制のなかった1958年に長嶋茂雄氏が作ったオープン戦7本の新人記録に並ぶことになる。 (文責・本郷陽一/論スポ、スポーツタイムズ通信社)