あばれる君「昔は名声を得たいだけだった」結婚してから変わった仕事との向き合い方とは【インタビュー】
家族と生きるための仕事が、僕にとっては「攻め」
――若い頃は自分以外に興味がなかったそうですが、家族の存在によってまわりに気を遣えるようになったとか。変わったのはいつ頃からですか? あばれる君:結婚してからですね。テレビで結婚式を挙げた手前、奥さんを幸せにしないとっていう意地もあったし。昔は名声を得たいだけでしたけど、今は心から、家族とずっと生きていけるようにって思っています。守りに入っているって言われるかもしれませんが、僕にとってはそれが攻めなんです。家族と生きていくためには自分が動かなきゃいけないから、自分でキャンプイベントを打ち出して、全国の子どもたちとふれあいに行くとか。どんどん自分で行動を起こしていく、攻めの姿勢に入っています。 ――いろいろアイデアも浮かんでいるわけですね。反対に、家族がいるからこそ、できれば受けたくない…っていう仕事はあるんでしょうか。 あばれる君:辛いものを食べるのは…ちょっと怖いっすよね。若い頃はいけたんですけど、いや、今もまだいけますけど、最後の一口で無茶しなくなっちゃったかもしれないです。いや、でもロケの仕事はやっぱりほしいです。いただいたら全力でやりますんで。 ――本の中には、猛牛にぶつかられたロケのエピソードもありましたが、それよりも激辛のほうがきついと。 あばれる君:ま、牛系も怖いですけどね。衝撃がもうすごかったですから。体が宙に浮いちゃって。映像で見てもぼくの体グルグル回っていますからね。子どもが見たら不安になっちゃうかも。 ――そんなハードなロケを次々とこなしながらも、どんどん進化されて、今は本当に売れていると思うんです。売れる芸人に必要なことって、何だと思われますか。 あばれる君:いや~、僕なんかはまだまだで。でも、売れるのとおもしろいのってちょっと違いますよね。どちらもある人はすごいと思います。僕が言えるとするなら、1日1日を大事にして変わろうとすることじゃないですか。失敗するたびに直していく、修正力。僕も台本で言い間違えたら、すぐに修正します。 ――最後に、家族と仲良く暮らすための秘訣を教えてください。 あばれる君:うちは奥さんがありがたいからなぁ。「奥さんのいいところをずっと探す」かな。いや、ちょっと子どもっぽいですよね。一言でズバッと言いたいので、ちょっと待ってくださいね。 …「台所を大切に」にしましょう。台所ってエネルギーの源じゃないですか。おいしい料理を作って、それが胃袋に入って、そこからみんな仕事や学校で散り散りになって。で、またおいしい料理を食べるためにぎゅっと戻ってくる。ご飯はできる限り家族一緒に食べるようにしています。
取材・文=吉田あき、撮影=金澤正平