あばれる君「昔は名声を得たいだけだった」結婚してから変わった仕事との向き合い方とは【インタビュー】
窮地に陥ったときに誰かを笑わせられる、お笑いは最強
――先ほどの「父子で大雨サバイバル」の動画の中で、あばれる君がレモンを自分の目に垂らして悶絶するリアクションに息子さんがまったく動じない…っていう場面がありましたよね。息子さんは普段から、お笑いの洗礼を浴びているのでは? あばれる君:まあ、そうですね。僕の会話の端々に何かしら、お笑いのエキスは出ていると思いますね。でも、変な大人には育てたくないですから、できるかぎり立派な大人としての会話を心がけています。あの場面、みんな不思議だって言うんですけど、うちでは全然不思議じゃないですね。 ――よくある普通の風景ですか? あばれる君:そこまでではないですけど。あれ、じつは子どもも我慢できなくて笑っているんですよ。 ――そういえば体が震えていたような…。 あばれる君:そうそう。笑っているけど、がんばって後ろを振り返らないっていう。かわいいですよね。 ――おうちの中でもおもしろいお父さんなんでしょうか。 あばれる君:どっちかというと、僕は家では無口です、子どものほうがものすごくふざけていますね。だからどんなやつに育っていくのか楽しみです。 やっぱり最強ですからね、お笑いは。窮地に陥ったときに誰かを笑わせられるっていうのは、すごく強いと思うんです。僕自身も普段痛感していることだし、そこは僕から学んでほしいですね。 ――本の中のエピソードで思い出すのが、キックボードに乗っていた息子さんにすごい勢いでクラクションを鳴らしたおじさんに対して「そのおじさんは、時空を超えてきた交通ルール戦隊かも」と息子さんに伝えた、というお話。悲しかったことをユーモアのあるたとえ話に変えて教えてくれるお父さんはすばらしいなと思いました。 あばれる君:自分の子どものことだから、クラクションを鳴らした車に腹立ちましたよ。でも、YouTubeの名言集みたいなので見たんですけど、腹立つ気持ちをずっと持っていると、焼けた石を抱えているのと同じなんですって。だから、手放す。手放すとラクになるから、ああやって発想したんです。 ――すごく鳴らされたそうですね。 あばれる君:気持ち悪くなるくらい怖かった、っていう息子の表現もおもしろかった。でも息子にも非があるとは思います。とにかく無事に帰ってきて良かったですけどね。 ――お父さんが芸人さんであることを、息子さんは把握しているんでしょうか。 あばれる君:はい。テレビで僕のことも見ていますけど、そんなに意識してないと思いますね。僕の仕事に興味を示さないというか。普通の家庭だと思います。息子もまわりのみんなと一緒で、チョコレートプラネットさんとか、なかやまきんに君さんとか好きですし。 ――お父さんがテレビでいじられて、悲しい気持ちになったりしませんか? あばれる君:それはないっすね。おもしろいものはおもしろいって思うんじゃないですか。でもたしかに、小さい子って見たものをストレートに受け取りますよね…。だから、僕が大喜利に強くなるとかしていじられないようにするしかないですね。まあ、基本的にはこのままでいきたいと思っていますけど。 ――息子さんにお仕事の夢を語るようなこともありますか? あばれる君:仕事というか、将来どうしたいかを話すことはありますね。たとえば、アメリカに住みたいとか、オーストラリアに行きたいとか、家族で話して「いいね」とか言い合います。子どももその会話をずっと覚えていて、「何歳くらいで行くの?」と聞いてきたりして(笑)。