根尾フィーバーの影に隠れている中日与田流キャンプ改革を他球団007が警戒!
中日が3日、沖縄北谷キャンプで主力投手12人が登板してのシート打撃を行った。実戦重視の与田流改革キャンプで、大野、笠原、佐藤らが存在感を示したが、「満足することはない」と、与田監督は足元を見つめ打者陣に対しては「もっと元気を出していい」とハッパをかけた。Bクラス脱出のテーマは投手陣再建。勝利方程式の確立に手をつけられず、まずは先発陣容から固めなければならないほど余裕はないが、ネット裏の“他球団007”は、与田流の改革キャンプの行方を警戒している。
課題への取り組みが見えたことが収穫
あれ。紅白戦じゃなかったの? 「そんなこと一言も言ってないですよ。実戦をやりますと言ってきただけ」 与田監督が、そんな細かいこと別にいいじゃないですか、というような顔をして笑う。 「2月3日に紅白戦」との複数の報道を目にしてきたが、この日、行われたのは、投手一人が打者4人ずつに投げる形式でのシート打撃。それでも例年に比べると異例のペースでの実戦スタートとなった。 「とにかく実戦。143試合を違う相手と戦っていかねばならないわけだし、一番、そこに近い練習で、いいところ、悪いところを見つけていかないと、個人としてもチームとしてもキャンプで成長ができない。だから練習試合を含めて2月に9試合を組んでもらった。どういうメンバーでできるかわからないけれど、実戦の中でしか、具体的な課題は出てこない。それと競争意識。結果だけでなく、もちろん内容を見るけれど、実戦を多く入れることで1、2軍の入れ替えをどんどん行い、チームに意識を植え付けたい」 2月11日の韓国のハンファとの練習試合を皮切りに2試合のオープン戦を含め2月に9試合が組まれた。キャンプ3日目に実践を行うことも全選手に事前に通達してあった。競争意識を高め、具体的な課題を浮き彫りにする狙いがあり、結果次第では、1、2軍の入れ替えを行うという。与田流のテーマを定めた意識改革キャンプである。 この日のシート打撃は、昨年は0勝3敗とひとつも勝てず、捲土重来を期す左腕の大野が先陣を切り、福谷、笠原、柳、岡田、又吉、福、田島、小熊、祖父江、佐藤、鈴木博の順で12人もの主力級投手がズラっと並んでマウンドに上がった。 対する打者陣は、ビシエド、アルモンテの外国人、2軍でスタートの平田、大島の4人はいなかったが、ドラフト6位の滝野(大阪商大)を含む19人が打席に立った。 大野は、出遅れているスーパールーキー、根尾の存在に尻に火をつけられている京田に二塁打を浴びたが、それも詰まらせた打球で、高橋周平、大野奨の2人のバットをへし折った。最速は147キロ。昨季6勝で侍ジャパンメンバーにも選出されオールメジャーを相手に好投した笠原、昨年防御率6点台と苦しんだ又吉、抑え候補でもある佐藤の3人は、4人でピシャリ。与田監督が秋季キャンプから徹底してきた「ストライクゾーンで勝負する」意識も浸透していて、12人全員が無四球で、無失点。まだ打者がボールに目が慣れていない、この時期は、投手有利が当たり前にしても万全の準備を結果にして見せた。 「いろんな選手の動きを実戦でしっかり見られた。ある程度のことがちょっとずつわかってきたが、でも満足は(この先も)ずっとすることはない。目についた選手? まだそこまではない。大野?去年の秋から向き合っている課題をしっかり意識していた。(大野だけでなく)すべてのピッチャーに意識が出ていた。それが収穫」 与田監督は、そうシート打撃を総括する一方で、こうも言った。