国民健康保険料が高すぎる!その理由と対策を徹底討論!対談 内藤眞弓×笹井恵里子
―びっくりしますよね。 笹井 自分が悪いのですが、差し押さえはやはり怖いです。すぐに区役所に連絡を取り、29万円を24回に分け、月額1万2300円ずつ納付し、2年後に完納しました。この間に、先に話した加入している文美国保と併せて毎月約5万円の国保料を払っていました。やっと払い終えたと思ったら今度は約4万円の延滞金の請求がきました。それも分割して支払い、今年やっと完済しました。 ◇もっともっと声を上げていこう ―長期不況で国民の経済力が落ち、支払い能力が限界を超えてしまっているという根本原因を改善しないまま、督促や差し押さえを強化しても問題は解決しないような気がします。 内藤 低所得にあえぐ人に過酷な滞納処分を科すことは経済合理性とかけ離れています。 ―最後に、国保を立て直すにはどうすればいいのか。私たちができることは何でしょうか。 笹井 1984年までは国保収入の約6割を国庫支出金が占めていましたが、現在は3割以下です。減らされた国庫負担分を被保険者の保険料に肩代わりさせていることが保険料高騰の大きな要因なので国庫負担を増やしてほしいと思います。もしくは将来的には健康保険を一つの仕組みにしてほしい。 今すぐにできることとしては、国保料の最大上限額が3年連続で上がり続けていますが、研究者らによると、限度額を引き上げるとその負担は加入者全体に及ぶと指摘しています。なので、上限額そのものを撤廃したほうがいいと思います。 内藤 現在の国保料の年間総限度額は106万円。これを撤廃し、所得に応じて払うようにすればいい。 笹井 年収2000万、3000万円の人には相応の負担をしてもらうのです。そして一番大事なことは、やっぱり国民が声を上げることだと思います。私が書く「国保料は高すぎる」という記事への反応をみても、皆さんほんとに困っているし怒っています。もっともっと声を上げていかなければいけないと思います。