日銀・黒田総裁会見9月19日(全文3完)次回は経済物価状況を点検したい
日銀の黒田東彦総裁は、金融政策決定会合後の19日午後、記者会見を行った。 ※【**** 00:35:30】などと記した部分は、判別できなかった箇所ですので、ご了承ください。タイムレコードは、「日銀・黒田総裁が決定会合後に記者会見(2019年9月19日)」に対応しております。 【動画】日銀・黒田総裁が決定会合後に記者会見(2019年9月19日) ◇ ◇
海外経済のリスクをどう見ているのか
日経CNBC:日経CNBCの直居と申します。2点ございます。1つは、今回強調されてます海外経済の下振れリスクについてなんですけれども、少し海外の中央銀行の金融政策との関連も含めてお聞きできればと思っております。表現を見ると、下振れリスクは高まる一方というんでしょうか、高まりつつあるというふうに表現されてますけれども、米欧等、金融緩和にもう踏み切りつつある中で、例えばアメリカなんかでは住宅ローンの借り換えなどを通じて、すでにその効果みたいなものが表われ始めているのではないかというような指摘もあるように思います。ただ、その効果を判断するにはまだ時期尚早ということなのか、金融、すでに米欧がかじを切っている緩和政策の効果も含めて、現在の海外経済のリスク、この辺についてあらためてお聞かせいただけますでしょうか。 黒田:この辺りは当然、いろいろ議論があるところだと思いますけれども、正直申し上げて米国の経済は比較的堅調でありまして、特に消費がしっかりしてて、賃金も上がってますし、雇用情勢も非常にタイトという中で消費がかなりしっかり伸びているということでありますので、米国経済が何か景気後退にすぐ陥るような可能性はあんまりないと私も思ってます。ただ、FEDとしては、公表された文にもあるように、世界経済とかその他の不確実性があるので、予防的に今回、政策金利を引き下げるということだったと思います。 他方、欧州のほうはご承知のように、一部の国はマイナス成長になったり、全体としてやや減速の状況が続いているわけですね。従ってECBとしては、先述のようなマイナス金利をさらに深掘りするだけでなく、マイナス金利の適用についてもそうかと、採るとか、それから資産買い入れを再開するとかフォワードガイダンスを変更するとか、さまざまな措置を取られたということだと思います。その効果はこれからだと思いますけれども。