日銀・黒田総裁会見9月19日(全文3完)次回は経済物価状況を点検したい
ECBは適切な措置を取ったと思う
これから国際会議も控えており、IMFとかその他の国際機関も見通しをそれぞれ提出してくると思いますけれども、ECBの措置自体はそれぞれの経済物価情勢に応じて適切な措置を取られたと思うし、今後とも取ってはいかれるというふうに思ってます。ですから世界経済の、海外経済の減速の状況っていうのはまだ回復する兆しは見えてませんが、例えばITサイクルなんかは少し下げ止まって反発する動きも見られてますし、それから中国経済はずっと減速してますけれども、財政・金融政策その他でかなりの措置をすでに取っておられますので、そういったものがどういう効果が出てくるかっていうのは今後ともよく見ていく必要はあると思いますけれども、世界経済自体を、全体を見て、それぞれの経済物価の状況に合わせてそれぞれの中央銀行が政策を取っておられるということだと思います。 わが国の場合はご承知のように、ある意味でいうと海外のさまざまな中央銀行よりも相当思い切った量的・質的金融緩和、そしてある意味ではユニークなイールドカーブコントロールを行い、物価安定の目標に向けた努力を重ねているということであります。その上で、先ほど申し上げたように、海外経済のリスクが高まる状況にもありますので、次回の決定会合では十分、経済物価状況を点検してまいりたいということであります。
世界的なバブル経済リスクへの見解を聞きたい
日経CNBC:もう1点、恐縮です。ちょっと先ほどとは違う意味でのグローバルな金融リスク、あるいはバブル経済のリスク等々についてのご見解をお聞かせください。いろいろと不透明感がありながら、アメリカの株価がほぼ史上最高値圏にあり、あるいは資産価格の上昇、住宅なども続いている。それから家計、企業、政府、いろんな意味でこの10年、債務が積み上がってる。そのことでいろんな金融リスクがグローバルのどこかに積み上がっているのではないか、それは例えば銀行規制では見えないところ、ファンドなどを通じて積み上がっている心配がないかと、こういう議論があると思うんですね。この辺についての総裁のご見解をお聞かせください。 黒田:こうした問題についてはBISとかIMFなどの会議でよく議論されているわけですけども、現状で民間債務が積み上がっている国とか、特に途上国におけるいろんな状況とかなんかについて議論はありますし、先進国についてもリスク資産の価格が上昇しているところもあるということで、いろんな議論はありますけども、今の時点で何かバブルが非常に大きなものがあるとか、あるいは金融規制の網が十分かぶってなくて大変なことになる懸念があるっていうふうに言ってる国際機関とか中央銀行の人はいないと思うんですけども、ただ、そういうことを言うと、リーマンショックの前も一部のIMFの方とかなんかが指摘してましたけども、あまりみんな心配してなかったのになったじゃないかと言われると、そういう反省もよく分かりますので、国際機関も各国の中央銀行も、金融規制当局も私どもも、そういった点については十分注意して見ておりますし、日本銀行の場合はご承知のように、半年に1回、金融システムレポートでかなり詳細に分析をしておりますので、今後ともそういった点については十分注意していく必要があると思いますけども、今の時点で何か非常なリスクが、特に先進国の金融システムでたまってるというふうには考えておりません。 朝日新聞:すいません、幹事社から1点。冒頭申し上げたように4時25分ごろには総裁が出なくてはいけないということなので、あとお二方、【サン**** 00:46:35】で終了させてもらいますのでよろしくお願いします。