ダイエット効果が期待される葉野菜<アマメシバ>。しかし台湾で9人が死亡、8人が肺移植手術を受ける事態に…食習慣の発祥地・インドネシアで健康被害が起きない理由とは
◆量を間違えると深刻な健康被害に 問題点を探ってみると、アマメシバは、マレーシアなどでは炒めたりスープに入れて食べるのが一般的で、1週間に116~200g程度の量を摂取しているという調査結果がある。 ところが、台湾において健康被害を生じた事例では、毎日の平均摂取量が131gと大量に摂取していたことが台湾行政院衛生署の調査結果で明らかになっている。 この量は、マレーシア人の摂取量の約5~8倍以上であり、摂取量の違いが健康被害を引き起こした原因であると考えられている。 この野菜の食習慣発祥の地であるインドネシアにおいては健康被害が発生していないのに、台湾では多数の死者まで出るような問題に発展してしまった。適量ならよい効果が得られるものでも、量を間違えると深刻な健康被害をもたらす。
◆アマメシバに含まれる化学物質 アマメシバにはパパヴェリン、チモール、ユーフォルビンといった化学物質が含まれている。 このうちパパヴェリンは急性動脈塞栓・末梢循環障害・冠循環障害における血管拡張と症状の改善や、胃炎・胆道系疾患における内臓平滑筋の痙攣(けいれん)症状を抑える医薬品として使用されている。チモールも殺菌、防腐剤として用いられる医薬品である。 一方、ユーフォルビンは多くの植物に含まれている天然毒素で、腹痛、嘔吐などを引き起こしたり、皮膚につくとアレルギー様の皮膚症状を引き起こしたりする。 実は、こんな怖いものが入っている野菜は特殊な野菜である、と考えるのは間違っている。日常われわれが口にする自然の野菜には、種々の天然毒素が少量だが含まれているのが普通なのである。 ※本稿は、『健康食品で死んではいけない』(講談社)の一部を再編集したものです。
長村洋一
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