子どもが本音を話してくれる親の話し方とは? 横並びで作業しながらの「キヌサヤ方式」
子どもの本音を知りたいあまり、根掘り葉掘り質問をしていませんか? さりげなく子どもの本音を聞き出すためのコツを、いしいおうこ先生の著書『モンテッソーリ式 親子でハッピー! 魔法のほめ方叱り方 自己肯定感が上がる子育て』よりご紹介します。 【マンガ】集中力が高い子ほど、乳幼児期に体験している「フロー状態」とは? ※本稿は、いしいおうこ著『モンテッソーリ式 親子でハッピー! 魔法のほめ方叱り方 自己肯定感が上がる子育て』(日本能率協会マネジメントセンター)から一部抜粋・編集したものです。
"キヌサヤ方式"で子どもの本音を聞き出そう
実は、子どもの本音を聞き出すポイントがあります。それは親子が同じ部屋にいる状態で、ダイニングでキヌサヤの筋を取りながら、さりげなく子どもの話を聞く“キヌサヤ方式“。真正面からだとなかなか本音を話しづらくても、横並びで、何かの作業をしながらだと案外本音を話すことができます。これは心理学でも言われていること。ポイントは、いかにも「聞き出すぞ」ではなく、「何気なく聞く」。心では聞きたくてうずうずしているという雰囲気を、1ミリも出さないように。でも心の中では全力で耳を傾けるようにしましょう。 子「今日、〇〇ちゃんと学校でけんかしちゃってさー」 親「そうなんだ」 子「なんか、最近感じ悪いんだよね、〇〇ちゃん」 親「ふーん……」 と、ただ聞く。つい「それ、あなたが悪いんじゃない?」などと言いたくなりますが、ぐっと抑えてあいづちを打ちます。状況を客観的に把握するために「〇〇ちゃんは、何て言ったの」など、確認したい点は聞き返してもいいでしょう。 「ただ聞く」は本当に難しいものです。多くの人が「それは〇〇すべきだよ」「本当は違うよ」など、子どもにアドバイスしたり、言ったことを否定しがちですが、それでは相手は口を閉ざしてしまいます。 それでも一言伝えておきたい場合は次のことを心がけましょう。 1 少し間を置いてから、伝えましょう 後から「お話を聞いてから、ちょっと考えてみたんだけど、〇〇という可能性もあるんじゃないかな?」などと伝えてみること。先ほどのけんかの例なら「もしかしたら、〇〇ちゃんは、最近イライラするようなことがあって、周りの人についきつくあたっちゃうんじゃないかな?」などです。その場ですぐ言いたい気持ちもわかりますが、何事もタイミングが大切です。 2 否定する場合は、相手(子ども)主体ではなく、一般的な話にしましょう。 「世の中では~」「そういう場合、多くは~」と、社会の仕組みを教え、情報提供する機会にするのです。いきなり「あなたが悪い」と言われると、気分を害しますし、傷つき、心を閉ざす子もいます。 「あなたの言ったことが、たまたま〇〇ちゃんに気に入らないことで、怒っているのかもしれないね。自分は何気ないと思っていることでも、傷ついてしまう人もいるんだ。相手の気持ちを想像するのって、難しいね」などの声かけをしてみましょう。 【まとめ】 ・自己肯定感の根底にあるのは、子どもへの理解 ・さりげなく、子どもの話を聞く機会を持とう ・アドバイスは後で、否定的なことは一般的な話として
いしいおうこ(親勉チビーズ協会代表)