ソフトバンクが株主優待にPayPayを導入した理由。ポイントサービスを株主優待に導入する他企業も紹介
ソフトバンクは、2024年10月1日から新たな株主優待として、100株以上を1年以上保有するとPayPayポイントを1000円分付与する制度を導入します。あわせて株式分割を実施し10分割することで、小口投資が可能となります。 ◆【画像6枚】ソフトバンクが新しく導入する株主優待などの施策を確認 それにあたり、9月11日に記者向け説明会を開催し、新たな株主優待制度の目的や今後の展望について説明しました。 今回の施策により狙う投資家層と、株主優待の電子化について考えていきます。 ※編集部注:外部配信先ではハイパーリンクや図表などの画像を全部閲覧できない場合があります。その際はLIMO内でご確認ください。
ソフトバンクの株主内訳と個人投資家の現状について
ソフトバンクは上場から5年経過していますが、2024年3月末時点で株主数は約78万人に及びます。しかし、ここ数年で国内の個人投資家の割合は減少しています。 また、個人株主の世代で見てみると60代以上が半数以上と、比較的高齢層がボリュームゾーンであることがわかります。 そこで、中長期的な企業価値向上のために若年層を取り込みたいソフトバンクは、今回の個人株主向け施策を決定しました。
個人投資家向けにソフトバンクが導入する新たな2つの施策
新たな施策は主に2点です。 ・2024年10月1日より株式の分割 ・1年保有でPayPayポイント1000円分の付与 このことにより、1単元(約2万円)を保有した際の実質利回りは9.3%となります。 ●若年層獲得のため株主分割を決定した理由 若年層獲得のために株式分割を決定した背景には、若年層の貯蓄実態が影響しています。 全体の投資額分布では10万円以下や20万円以下がボリュームゾーンとなっていますが、若年層では平均貯蓄額が3.7万円という調査結果があります。 この金額内に抑えることで、若年層の取り組みを図る狙いがあるようです。 ソフトバンク株は9月18日時点で1単元(100株)が約20万円(18日終値は1964円)です。分割前の株価だと5か月分以上の貯金が必要でしたが、1か月分の貯金から株の保有が可能となる計算です。 ●PayPayを株主優待に選択した理由 現在日本の人口の約2人に1人以上がPayPayユーザーと言われています。 投資家アンケートによると、ソフトバンクへの投資検討の理由として1位がPayPayポイント付与となり、PayPayでの株主優待が期待されていました。 ソフトバンクでは、PayPayポイントを付与することによる、PayPay経済圏の活性化と当社グループ事業への理解の両立を狙い、導入を決定したようです。