「一人で乗り越えられなくても、誰かの支えがあればできる」脳梗塞で倒れたラモス瑠偉が語る、復帰までの道のり
「神様が生かしてくれた意味があるはず」世の中の役に立ちたい気持ちが強くなった
――病気を経て、人生観は変わりましたか? ラモス瑠偉: 病気やつらいリハビリを乗り越え、人間、やろうと思えば何でもできるんじゃないかなと思うようになりました。壁が高いことはあるかもしれないけど、一人で乗り越えられなかったら、人の力を借りて乗り越えられるから。絶対支えてくれる人がいますし。 ――これからどんなことに取り組んでいきたいですか。 ラモス瑠偉: 2018年にビーチサッカー日本代表の監督に就任し、2019年にアジアチャンピオンになってW杯ベスト4まで導くことができました。 ビーチサッカーはひと区切りしましたが、やっぱり11人制のサッカーで監督をやって熱くなっている自分の姿を見せたいですね。そこは何かまだ引っかかっているものがあるから。それができた時に、初めて完全復帰できたと言えるんじゃないかな。 私は以前から世の中の役に立ちたいと思っていて、そういう気持ちが病気によって改めて強くなった気がします。たまに講演会をやるのですが、長い人生で経験してきた話が、聞いている子どもたちのこれからの力になれたらどんなに幸せだろうなと。社会や子どもたちの役に立てたら、神様が生かしてくれた意味があるんじゃないかなと自分で勝手に思っています。 ----- ラモス瑠偉 1957年、ブラジル生まれ。1977年に来日し、読売サッカークラブに入団。1993年に開幕したJリーグではヴェルディ川崎でプレー。1989年に日本国籍を取得し、サッカー、ビーチサッカー、フットサル日本代表として日本サッカー界に貢献。2000年、スポーツ、文化活動を通じた外交分野で功績が評価され、ブラジル政府からリオ・ブランコ勲章を受勲。2018年には日本サッカー殿堂入り。現在は競技活動以外にもパラリンピック・バリアフリー応援大使、コメンテーター、タレントなどで活躍。 文:姫野桂 (この動画記事は、TBSラジオ「荻上チキ・Session」とYahoo! JAPANが共同で制作しました)