パリ五輪の藤波朱理&加納虹輝、パリパラ五輪の鈴木孝幸が中部スポーツ賞選出 「初老ジャパン」の2人に特別賞
今年のスポーツ界で活躍した中部関係選手を中部運動記者クラブが表彰する「中部スポーツ賞」の受賞者が10日に発表され、正賞にパリ五輪レスリング女子53キロで金メダルを獲得した藤波朱理(日体大)、同五輪フェンシング男子エペ個人で金メダルを獲得した加納虹輝(JAL)、パリ・パラリンピック競泳男子で金1個を含む4個のメダルを獲得した鈴木孝幸(ゴールドウイン)が選ばれた。 また、特別賞をパリ五輪総合馬術団体で日本勢92年ぶりのメダル獲得に貢献した大岩義明(nittoh)と戸本一真(日本中央競馬会)、功労賞を社会人野球・トヨタ自動車のエースとして活躍し今夏の都市対抗限りで現役を引退した佐竹功年投手が受賞。「初老ジャパン」として話題にもなった大岩と戸本は名古屋市内で開かれた表彰式に出席し、受賞の喜びなどを語った。 中部にゆかりのある「初老ジャパン」の2人がトロフィーを手にした。20年以上欧州を拠点にしてきた大岩は「故郷で表彰を受けて、皆さんにメダル獲得を喜んでもらえてうれしい」と語った。戸本は「メダルにはみんなを幸せにする力があるな」としみじみ。お世話になった人へメダルを持ってあいさつに行く機会も多く、「初めてメダルを触った」と驚きや喜びの表情を見る度に感じたという。 92年ぶりの快挙と、インパクトのある愛称が大きな反響につながった。職場の馬事公苑からの帰路で、戸本はすれ違った小学生に「初老!」と言われたこともあったと明かして苦笑い。「でもそうやって覚えてもらえているのはうれしい。成績とキャッチーなネーミングの両方があったから注目してもらえている」と笑みを浮かべた。 4年後のロサンゼルス五輪への思いも口にした。大岩はパリ五輪で乗った馬が16歳と、ロス五輪を目指すには高齢。新しいパートナーはまだ見つかってないが「馬との準備をした上で、次の五輪で違う色のメダルを目指せるような形にしたい」と先を見据えた。戸本はJRA職員として後進育成の仕事と両立しつつ「技術を磨いてチャンスが巡ってきたら挑戦したい」と語った。馬術選手としては40歳で中堅という。「初老ジャパン」のチャレンジはまだまだ続く。