哀川翔率いるFLEX SHOW AIKAWA Racing with TOYO TIRESがクラス優勝。5年ぶり参戦のAXCRで雪辱果たす
俳優の哀川翔が総監督を務めるFLEX SHOW AIKAWA Racing with TOYO TIRESが、8月11~17日にタイで開催されたAXCRアジアクロスカントリーラリー2024を完走。クラス優勝を飾った。 【写真】哀川翔総監督(左)とドライバーの川畑真人(右) ともにD1ドライバーである川畑真人とデイチャポン・トオインチャロンのコンビを起用し、チームとして2019年以来5年ぶりにAXCRに参戦したFLEX SHOW AIKAWA Racing with TOYO TIRES。自身も長年にわたってラリー競技に挑戦するなどモータースポーツ愛の深い、哀川を名を冠する同チームは劇的な逆転劇にて栄冠を掴み取った。 東南アジアの国々を舞台に、例年8月に開催されるAXCRの2024年大会は、タイを舞台に7日間(競技は6日間)の日程で競われた。初日のレグ1から最終日レグ6までの移動距離は約2100km。そのうちスペシャルステージ(SS)と呼ばれる競技区間はSS1~6の計6ステージで約900kmとなっている。 『トヨタ・ランドクルーザー150プラド』で同ラリーに挑んだFLEX SHOW AIKAWA Racing with TOYO TIRESにとって、南部のスラタニからホアヒンに至るルートがとられた今大会の前半戦は苦闘の連続に。ショックアブソーバーの不具合にはじまり、SS2でのリヤサスペンションの破損、急きょ取り寄せたショックアブソーバーに交換して臨んだSS3ではリヤサスペンションのダンパー下部をホーシングに取り付ける、ステー部分の破損脱落があったほか、コドライバーを務めたトオインチャロンも慣れないロードマップ(コマ図)に苦戦を強いられ度重なるミスコースによりタイムを失ってしまう。 転機が訪れたのは、後半戦初日のレグ4だった。チームは前日から夜通し作業を行い、リヤサスペンション周りのアッセンブリー交換を実施。また、ローレンジギアの修理を完了させた。これが奏功し川畑/トオインチャロン組は、過酷なヒルクライムが待ち受けていたSS4でT1Gクラス2番手/総合23番手に浮上する。 今大会最長の228.87kmのステージで争われたSS5では、攻めた走りでクラス首位とギャップを約35分から19分差に縮めることに成功。そして運命のレグ6を迎える。フィニッシュの地、カンチャナブリでのループステージが設定された最終日のSS6は全長86.73kmと短く、タイム差を考えると逆転は困難であると思われた。しかし、川畑組のフィニッシュ後15分が経過してもクラストップの車両が戻ってこない。ようやくフィニッシュ地点に現れたのは、ランドクルーザー150プラドが到着してから20分近くが経ってからだった。 この結果、FLEX SHOW AIKAWA Racing with TOYO TIRESがライバルを1分27秒上回ってT1G部門トップに。最終ステージでの大逆転を経て、クラス優勝の栄冠を手にすることとなった。また、総合順位でもメーカーワークス勢やハイパワーのT1Dクラス車両が並ぶなか、12位という堂々たる結果を残している。 ランドクルーザー150プラドのステアリングを握り過酷なラリーを走りきった川畑は、トーヨータイヤを通じて次のように語った。「今回のAXCRは5年ぶり2回目の挑戦でしたが、マシンの不具合やコース攻略などさまざまな要素が重なり難しいラリーとなりました。しかし、そのたびにチーム関係者、コドライバーとも話し合い、対策をして前に進むことができました」 「このような機会を作っていただいたトーヨータイヤ様をはじめ、応援していただいた皆さまに感謝しております。ありがとうございました」 5年前に悔しい2位を経験した後、総監督としてふたたびAXCRに戻ってきた哀川は「チーム一丸となった勝利です」とコメント。「2011年から始めて、ようやく掴んだ勝利となりました。感無量です。まずはみんなに『お疲れさま、そしてありがとう』と言いたいです」と喜びを語っている。 長く厳しい戦いを最高のかたちで締めくくったFLEX SHOW AIKAWA Racing with TOYO TIRESの次なる挑戦は、9月6~8日に日本で開催されるXCRスプリントカップラリー北海道第4戦『RALLY HOKKAIDO』だ。大会2連覇を目指す同チームは『ミツビシ・トライトン』への車両スイッチを発表済み。ドライバーは引き続き、川畑が務める予定だ。 [オートスポーツweb 2024年08月24日]