メジャー球宴史上初“リアル二刀流”で勝利投手の大谷翔平をスター集団がサイン攻めで称賛の嵐…「全員が彼に畏敬の念を抱く」
エンゼルスの地元のオレンジカウンティレジスター紙は「大谷が無失点の球宴デビューを果たして100マイル(約161キロ)を投げる」との見出しを取り、「過去、数カ月にわたり、大谷は力を抜いて投球する術を身につけてきたように見られた。だが、野球界のすべての視線が火曜夜の球宴で彼に向けられたとき、エンゼルスの二刀流スターは何も隠すことはしなかった」と伝えた。 記事は「大谷が100.2マイル(約161キロ)を投じたカージナルスの三塁手、アレナドは、後から大谷が(100マイル以上を)この数カ月で初めて投げたことを聞かされた」とした上で、昨年までロッキーズでプレーして大谷に劣らぬほどの観衆の大声援を受けたアレナドが含み笑いで「もちろん彼はそれを投げた。彼は宣伝されていた通りだった。彼は信じられないほど素晴らしかった」と語ったことを紹介した。アレナドの打席で大谷は、100マイルの投球を2球続けて、最後はスプリットで遊ゴロに打ち取っている。 また標高1600メートルの高地にあり空気の薄いデンバーでホームランダービーと球宴本番の両方に出場することの難しさを知るドジャース、マンシーの「そもそも昨日夜のホームランダービーの次の日に、実際にプレーできるという事実が驚くべきことなのだ。ここ(クアーズフィールド)はプレーするのがとても難しい場所。ここで息をすることだけでも大変だ。本当に早く疲れる。昨日の夜、彼らがとても早く息切れしたのを見たかもしれない。彼が今日戻ってきて投げるのを見るのは本当に信じられないことだ」という驚愕談話も紹介した。 マンシーは154キロのストレートを打ち二ゴロに終わっていた。 USAトゥデイ紙は、見出しに「ただありがたく思っている」という大谷自身のコメントを引用し、「メジャー球宴は彼のキャリアで最も思い出に残る経験になった」と報じた。 記事は「球宴の歴史で、どのような成績が読み込まれようとも、1イニングを投げて勝ち投手になった大谷は最も大きく偉大なスター選手だった。彼はチケットが完売となった4万9184人の観客から、この夜最も大きな拍手喝さいを受け、チームメートからも最も大きな称賛と賛辞を受けた。そして誰もがサインをもらいに近づいた。オールスターのフィールド全体で注目を集めたのは1カ所だけ(大谷周辺)。選手たちは大谷にサインをもらうためにロッカーに押し寄せた。ジャージ、野球ボール、写真、バット。あらゆる物に大谷はサインをしていた。若かろうと経験があろうと、すべてのオールスター選手が大谷と時間を共にした夕方のことを永遠に覚えているということだろう」と、ロッカールームで、メジャーのスター集団からサイン攻めにあっていた様子に注目した。 記事は「セーブを記録して大谷の勝利を守った」ホワイトソックスの守護神、リアム・ヘンドリックスの言葉をこう紹介した。 「少し(サイン攻めにあった)彼に悪い気がする。もちろん僕も彼からボールにサインをもらった(笑)。彼は普通の人よりも多くのことをやっているのは確か。みんな彼がやっていることに畏敬の念を抱いていると思う」 その上で「(サイン攻めにあった)大谷の反応はどうだろうか? 彼は笑みを絶やさず、サインを続け、彼は同僚のオールスター選手にサインを求められることに感謝していた」とその対応を絶賛。 ヘンドリックスは「ショウヘイがやっていることは信じられないくらい素晴らしいこと。だが、最も重要なことは、ショウヘイと話してみて、彼がフィールドで何をしようとも、彼は優れた人間だということだ。彼はこれまでの人生で話してきた人々の中で最も素晴らしい1人だった」と、その人格を称えた。 ツインズのネルソン・クルーズは「我々はみんな彼にサインを頼んでいた。私は2つの写真にサインをもらった」と言い、ヤンキースのエースのゲリット・コールも「見ていてただ素晴らしい。彼は何事も可能だと示してくれている」と語った。 球宴を訪れたアメリカ野球殿堂博物館の関係者は、サインではなく大谷が球宴で使った滑り止め、腕と足に着用した防具を殿堂に展示するための記念品のひとつとして受け取ったという。