広島新加入の山足 打力UPで脱・スーパーサブ!を宣言 ラオウから贈られた赤ネクタイで入団会見
現役ドラフトでオリックスから広島に移籍した山足達也内野手(31)が20日、マツダスタジアムで入団会見に臨んだ。プロ入り7年間でわずか5失策と、内野全ポジションを守れる器用さが一番の武器。通算守備率・992を誇る堅守を押し出しつつ、課題の打力を向上させて“脱・スーパーサブ”を宣言した。 【写真】オリ・杉本から贈られた赤ネクタイ 心遣いがステキ ナチュラルな関西弁を交えながら、新天地での定位置奪取に心は燃えていた。山足はカープカラーの赤いネクタイで会見の席に登場。19日にオリックス時代の同僚・杉本から贈られたと明かし「パッと渡されて帰り際に『赤のネクタイやから明日着けてな』と。ちゃんと俺の名前言っといて、と言われたんで」と細やかな気遣いに感謝した。 赤いユニホームに袖を通すと「やってやろうという気持ち」と腕をまくり、会見では「打席に立ちたい」と繰り返した。今季は43試合に出場するも、18打席で2安打。広島で存在感を示すためには打力向上が鍵になる。 「この世界にいる以上、何とか打席をもらいたい。1軍のピリピリした場面での打席にも立ちたい。たくさんの拍手もいただきたいと、ずっと思っている。この世界でひと花でも、ふた花でも咲かせたい気持ちは強いです」。スーパーサブからの脱却へ、並々ならぬ気迫をのぞかせた。 「一番のストロングポイントはスピードと守備」と語ったように、内野全ポジションをこなせる器用さが代名詞。プロ入り7年間で一塁、二塁、三塁、遊撃を守って守備イニングは計943回。わずか5失策で守備率は・992を誇る。 広島では名手・菊池が13年間で守備率・990、矢野が4年間で・980。出場試合数に違いこそあるが、カープの鉄壁二遊間コンビより高い数字を残している。それだけにバットに磨きをかければ出番も増えてくる。「自分ができる精いっぱいのプレーで信頼を勝ち取ること。『山足のところにいったらアウトにしてくれるな』となれば、チームも使いたいなと思ってもらえる。まずはそこを勝ち取ることですね」と足元を見つめた。 複数ポジションを守る上で大事にしていることは準備。人工芝が本拠地の京セラドームから天然芝のマツダスタジアムに主戦場が移るが「人工芝より難しいですけど、逆にそこでうまくいけたら評価も上がると思う。頑張りたい」と長所をさらに伸ばしていく。 年明けの1月は6日から24日まで沖縄県内で杉本と合同自主トレを実施する。「関西出身なので、これから広島の野球に溶け込んで、広島を盛り上げられるように」と山足。“便利屋”を卒業して、新井カープに欠かせないピースになる。 ◇山足 達也(やまあし・たつや)1993年10月26日生まれ、31歳。大阪府出身。174センチ、76キロ。右投げ右打ち。内野手。大阪桐蔭から立命大、ホンダ鈴鹿を経て17年度ドラフト8位でオリックスに入団。24年度現役ドラフトで広島へ。プロ初出場初スタメンは18年3月30日・ソフトバンク戦。俊足が魅力。