トゥーロン国際準Vで東京五輪正GK争いに名乗りを挙げた逸材オビ・パウエル・オビンナ
毎年5月下旬か、あるいは6月上旬に開催されている、23歳以下の国際大会であるトゥーロン国際大会へ、日本サッカー協会は2001年から年代別の日本代表を参戦させてきた。 2002年大会は松井大輔や阿部勇樹ら、2年後のアテネ五輪に出場した選手たちを中心とした編成で3位へ躍進。2008年大会では北京五輪を控えた、本田圭佑や岡崎慎司らを擁するU-23代表がグループリーグでオランダ代表や地元フランス代表を撃破し、4位に食い込んでいる。 2017年大会からは東京五輪世代で編成されたチームが出場してきたなかで、今大会はグループリーグでイングランドとチリを撃破。準決勝ではPK戦の末にメキシコを振り切り、この時点で歴史を塗り替えた。原動力になったのは、招集された22人が共有した反骨心だった。 東京五輪に臨む男子代表チームを、フル代表との兼任のかたちで率いる森保一監督(50)は、今年のトゥーロン国際に挑む選手たちの選考基準をこう説明していた。 「東京五輪世代のなかでまだまだ伸びる可能性があり、J1、J2、そして大学でいいプレーをしている選手を選びました。これまで東京五輪世代のチームを見てきた方々のなかには、トゥーロンに行くメンバーの顔ぶれをみて、まだまだ他にも選手がいるんだ、と感じている方もいると思っています」 レアル・マドリードへの移籍が決まったMF久保建英を含めた、東京五輪世代の主軸を担う候補たちは南米ブラジルで開催されているコパ・アメリカへ、フル代表として抜擢されている。キーパーにはU-20代表時代からこの世代をけん引してきた小島亨介(22)=大分トリニータ=と、今シーズンのサンフレッチェ広島で一気にブレークしたプロ3年目の大迫敬介(19)が名を連ねた。 「コパ・アメリカに呼ばれた2人には負けたくない、という思いはもちろんありました。ただ、そこは意識しすぎずに、僕たちは招集されたこの大会で最高の結果を残すことだけを考えていました」