2025年度、PB(プライマリーバランス)黒字化を明記【Bizスクエア】
もし、財政健全化を放棄し、債務が膨張を続けた先にある未来は… BNPパリバ証券 中空麻奈チーフストラテジスト: 賢い日本人たちが、みんな一斉に「円を持ちたくない」と思ったらどうなるか。 中空さんは3月の異次元緩和終了後、金利がある世界への移行が進む中で、恐怖のシナリオが現実味を帯びつつあるという。 原因は2023年1297兆円を超え、GDPの2倍以上に膨らんだ国の借金。 BNPパリバ証券 中空麻奈チーフストラテジスト: これから金融は正常化するとなると、(長期金利は)どんどん上がっていくことが前提。そうすると利払い費だけでもう雪だるま式に膨れていく。成長もできない、借金だけ増える、金利だけ上がる。そうなると(国の)格付けを下げざるを得ないという話にもなってくる。最悪のシナリオは円のホームバイアス(日本人の円への信頼)が崩れ去ること。一気に円よりドルを持とうとか思い始めたときにはとても怖いことになってしまう。 ただ、成長を促す支援や社会保障費など、財政需要が高まる中、財政健全化の取り組みは両立するのか? BNPパリバ証券 中空麻奈チーフストラテジスト: 財政健全でありつつ、ワイズ・スペンディング(財政を効果的に使う)は目指せる。緊縮財政でケチケチやるのは、プライマリーバランス黒字化にはとても有効だが、結果それで成長できなかったら意味がない。財政の健全は良いところに財政を使っていくのと、決して相反するものではない。 ■2025年度プライマリーバランスを一気に黒字化!? 2024年、骨太の方針とは!? 6月21日閣議決定された2024年の骨太方針は「デフレ完全脱却への千載一遇のチャンス」だという時代認識を示して政策を総動員して賃上げを後押ししていくという。面白いのは実質1%の成長ができるようにしようと。だから成長分野に投資をする。 そして名目3%の成長を続けて2040年に名目GDP1000兆円を目指そうなど、野心的なことを言っている。それと同時に、財政について2025年度のプライマリーバランスの黒字化というのを明記した。過去2年は、この表現を書かなくて曖昧な表現にしていたのを復活させた。