2025年度、PB(プライマリーバランス)黒字化を明記【Bizスクエア】
――名目成長率に税収は基本的に比例してくる。消費税はダイレクトに効いてくるし、所得税だって賃上げ。まして累進課税でもっと上がり、税収が飛躍的に伸びた、つまりインフレ課税ということか。 千葉商科大学教授 磯山友幸氏: 結局インフレになるとその分、課税最低限度は変わらないので、名目上、所得が少し増えると税率が上がる。結局、庶民の負担で国の税収が増えているということで、経済成長が進んで景気がいいから、税収が増えていると見るのは危険。 ――だから持続的になるように成長していくことが大事だが、25年度に黒字が達成できるかは怪しいが、いい線が見えてきたのでこの目標が明記された。しかし国の債務がすごく多い。 国の債務額は2023年度末の時点で1297兆円となり、過去最大を更新。2024年度末にはさらに約160兆円増え、1456兆円にまで膨らむ見込みだ。GDPが今600兆円弱。GDPの2倍以上の国の借金を抱えているということになる。 ――この状況は放置できない? 千葉商科大学教授 磯山友幸氏: プライマリーバランスというのは、いわゆる家計でいうと毎月毎月使っているお金の収入と支出を合わせるというだけの話で、借金の話は全く関係ない。毎月毎月キャッシングして足らない分をずっと借金してきた結果がこれ(GDPの2倍以上の借金)。 ――プライマリーバランスがゼロになって、はじめてこのグラフが横ばいになるということか。 千葉商科大学教授 磯山友幸氏: プライマリーバランスは、本来はもう当たり前の話。赤字財政でバンバンと金使って借金するということは普通の家計だったら考えられないが、それをやってきている。何とか止めなければいけない、あるいは減らしていかなければいけない。 ――ずっと増加してきているものを、どうやって平らにするかということをやって、その後に下げるということも考えなくてはいけない。下げなければいけない理由というのは、他の国との比較を見れば明らかだ。