「観光どころではありませんでした」 初訪日のスペイン人が嘆いた日本の光景とは
日本人だけではなく、多くの訪日外国人観光客にも過ごしやすい季節となりました。これから紅葉が美しくなり、さらに見どころ満載となる日本ですが、多くの観光地では混雑も。初めて日本を訪れたスペイン人男性は、自身の慣れ親しんだルーティンができずに、やや戸惑いを覚えているといいます。いったい、なぜなのでしょうか。 【写真】スペイン人が「観光どころではありませんでした」と嘆いた日本の光景の写真 ◇ ◇ ◇
空手家のスペイン人 次は沖縄訪問を希望
今回が初めての訪日だというスペイン人のオスカルさん。友人たちと3人で日本にやってきました。2週間の滞在中、大阪、京都をめぐり、最後に東京に戻ってきたといいます。 4歳から空手を習っていたオスカルさんは、「ずっと日本に行ってみたい」と思っていたそう。今回の日本旅行では叶いませんでしたが、次に日本に訪れる際には空手が生まれた沖縄に行ってみたいと考えているようです。 「空手家にとって、沖縄は憧れの地です」と目を輝かせながら、まだ見ぬ沖縄へ思いを馳せていました。
「とにかく早起きをしないといけません(苦笑)」
この日、オスカルさんたちが訪れたのは、谷根千と呼ばれる谷中、根津、千駄木エリア。小さな店舗が軒を連ねる昔ながらの商店街らしい下町情緒あふれる雰囲気が、外国人観光客にも人気です。 日本の印象を聞くと、オスカルさんはまず驚きを口にしました。 「とにかく人が多いですね。その状況に圧倒されました。自分はスペイン北西部のポルトガル国境の近くの小さな町から来たのもありますが……。 スペインでもどこでも、なるべく人がいない時間帯や場所を見計らって出かけるのですが、それが日本では、まったくできない状況ですね。とにかく早起きをしないといけません(苦笑)」 まだ開店する店もまばらな時間帯に、オスカルさんたちが商店街を散策していたのは、混雑を避けるためでした。さらにオスカルさんは、旅した街を振り返り、嘆きと困惑を口にします。 「京都で訪れた神社仏閣では、観光客たちが写真を撮るために場所の取り合いをしていました。それがどこででも起こっていて、正直、観光どころではありませんでしたよ」 オスカルさんたちが訪れた京都をはじめ、鎌倉や富士山周辺など多くの人気エリアでオーバーツーリズムが話題に。京都市では混雑状況の可視化などで、一部の地域や時間に集中しがちな混雑を分散化する試みが検討されています。 住民だけではなく、観光客にとっても快適な環境の整備が必要になってきている様子。次に日本を訪れるときには、状況が改善されているといいですね。
Hint-Pot編集部