スマホの機種変を望んでいた妻を、乗り換えキャンペーンに誘ったら不機嫌に…何が悪かったのか?苦悩する夫の弁
Aさんはどうしたら良かったのか?
Aさんは、目先のキャンペーンのお得さにつられて、「これならきっとパートナーも喜んでくれるはず」と早合点してしまい、パートナーへの確認・相談をしないまま、独りよがりに行動を始めてしまいました。今回の件は、そのことに端を発していると考えられます。 また、手続きにかかる時間や、パートナーの反応など、自分の想定外・予想外の事態に対して、自分の至らなさや相手のニーズを読み間違えてしまった事実を認め学び直すどころか、「悪い/間違っているのは、自分ではなく相手だ」「喜ぶと思ってしてやったのに」と自分勝手に決めつけ、押し付け、そして、相手を自分の思い通りに支配・コントロールしようとしてしまっています。 その結果、Aさんは、パートナーから「子どもをケアする余裕を奪う」という重大な加害も行ってしまいました。 では、Aさんはどうしたら良かったのでしょうか? 今回のケースの場合、大きく2つの分岐点があったと考えられます。 一つ目は、行動に移す前の時点です。Aさんは、このキャンペーンについて、パートナーに具体的な情報や自分自身のニーズを共有するとともに、現時点でのパートナーのニーズを確認することができました。 ・ スマホのお得な乗り換えキャンペーンを見つけたんだ。【事実】 ・ 以前から、『バッテリーの持ちが悪い』『機種変更したい』って、よくぼやいていたし、子どもにも、進学に伴い、新たにスマホを持たせたいって話をしていたよね。【前提共有】 ・ もし良ければ、せっかくの機会に手続きをしたいと考えているんだけど、どうかな? 【依頼・提案】 この段階で、パートナーから「明日も仕事だから、今日は行きたくない」と言われた時に、「そうだったのか。気づいていなくてごめんね」等、相手の今のニーズを尊重する言葉を言えたなら、Aさんは、本当の意味で、Aさんのパートナーを喜ばせることができたかもしれません。 二つ目は、行動に移した後の時点です。経済的なメリットを優先する等、互いに合意の上で手続きに行くとした場合でも、予想以上に手続きに時間がかかってしまった際に、自分を正当化したり、相手のせいにしたりせずに、 「確認不足で、ごめんね。もっと早く手続きが終わるものだとばかり思い込んでいたよ」 「仕事で疲れているのに申し訳ない。手続きに付き合ってくれて、ありがとう」等、 自分の至らなさを率直に認めた上で、疲れているパートナーや子どもへの認識的共感(情動調律)、感謝を具体的な言動で示すことができていれば、Aさんは、パートナーから、子どもにケアする余裕を奪うという重大な加害は何とか食い止めることができたかもしれません。