今年も「新米」が出回り始めましたが、昨年よりも値段が上がっています。5人家族で「月15kg」を7000円前後で購入していましたが、いくらくらい高くなりますか?
新米の季節になりましたが、今年の米価格は昨年と比べて大幅に上昇しています。5人家族で月に15キログラムほどの米を消費する家庭にとっては、この価格上昇で家計にどれほどの影響があるのでしょうか。 本記事では、農林水産省が公開している最新のデータを基に、2024年産米の価格動向と家計への影響について詳しく解説します。 ▼職場のランチ代節約したい!「おにぎり」だけは栄養的にNG? 節約効果も検証
2024年産の米価格の見通しは?
2024年産米の価格を理解するには、まず「概算金」について知る必要があります。概算金とは、農協(JA)が農家に支払う仮渡金のことで、その年の米の価格動向を示す重要な指標となります。 日本農業新聞の報道によると、主要産地では60キログラムあたり1万6000~1万7000円を中心に設定されているということです。これは前年比で2~4割の上げ幅となっており、大幅な価格上昇といえるでしょう。さらに、高価格帯の銘柄米の価格も前年比で上昇しています。 ・新潟県の魚沼産「コシヒカリ」は2300円高の1万9500円/60キログラム ・秋田県の「サキホコレ」は4700円高の1万9500円/60キログラム ・山形県の「つや姫」は3100円高の1万9500円/60キログラム 概算金の上昇は、消費者が購入する小売価格にも反映されることが予想されます。実際に、一部のスーパーでは新米の価格が昨年より3~4割ほど高くなっているという報告もあります。
価格上昇の原因は?
2024年産米の価格上昇には、複数の要因が関係しています。以下に、考えられる原因をまとめてみました。 ●民間在庫量の減少 農林水産省の発表によると、2024年6月末時点の民間在庫量は115万トンで、前年同期から38万トン減少しています。このバランスの変化は、ほかの要因と合わせて価格動向に影響を与える可能性があります。 ●需要の回復 農林水産省によると、2024年6月までの1年間の主食用米等の需要実績(速報値)は702万トンとなり、前年同期に比べ11万トン(1.6%)増加しました。 わずかな変化とも思える需要の増加ですが、コロナ禍明けの外食需要の回復等が要因とされており、今後の米価格に影響を与える可能性がある注目すべき変化です。 ●生産コストの上昇 肥料や農薬、燃料などの生産資材価格が上昇しており、生産コストが増加しています。 これらの要因が重なり、特に供給面での制約(在庫減少)と需要の回復が同時に起こっていることが、価格上昇を加速させている主な理由と考えられます。