「学校のバザーは廃品回収じゃないの!」ゴミ同然の「出品物」ばかりで大揉め。いまどき「PTA」のひどい実態
今月、静岡県東部のある公立小がPTAを解散し、できる人ができることをする組織「保護者の会」に本年度から生まれ変わったというニュースは保護者たちの間でも話題になった。全国でも、PTA解散については、積極的に検討されているのも事実である。 危機管理コンサルタントの平塚俊樹氏はこう話す。 「全国から噴出する疑問や不満の声を受け、PTAのあり方は今後急ピッチで見直しを進める必要がありますね。本来、子供たちの学校生活を充実させる意味も含まれるPTAの存在ですが、めっきり父兄の負担が増えています。 女性の社会進出に伴い、仕事をもつ母親も増えているため、仕事とPTAをはじめとする学校行事への参加はなかなかに大変なものになっているのも事実です」 今回、お話を聞いたのは、とある小学校PTA役員の任期を終えたばかりの女性。この任期中、古くから小学校の恒例イベントとなっていた「バザー」廃止を満場一致で決したそうなのだが、その経緯について話を聞くと、理不尽で不可解な活動内容が見えてきた。 「私がPTA役員を務めた昨年度は、コロナもひと段落している、ということで、以前は大規模に開催していたバザーを復活させるべきかどうか。その議題が大紛糾する中で、PTAの弊害が大噴出したのです」 PTA活動をそう振り返るのは、篠田利恵子さん(仮名)。コロナ禍では比較的役員の仕事が楽だという噂を聞き、立候補したのだという。本音ではやりたくなかったが、親が役員をやっておくと子供の中学受験に有利だという噂が根強くあることは念頭にあった。 「暗雲が立ち込め始めたのは、秋の学芸会が終わって行事が一段落したときです。来年度のことを決めなければいけませんでした。例えば、運動会はコロナ前のように1日がかりでやるのか、それともやっぱり半日だけ行うのか、とか。PTA役員も兼任している担当教員も交えて話し合いました」 学校側からの提案もあり、運動会は来年度も半日開催とすることがすぐに決まったそうだ。一方、話し合いを最も長引かせた議題は、伝統行事ともいえる「バザー」存続の是非についてだった。 「このバザーがとにかく大変というのは昔から聞いていたんです。役員の中に経験者がいらして。その方の話を聞いたものですからみんな戦々恐々となって、復活させるべきなのか、3年間もやめていたんだからこの際廃止してしまうべきなのか、なかなか決まりませんでした」 痺れを切らしたのは学校側だった。