沖縄復帰50年 「沖縄旅行にパスポート」「相次ぐアメリカ兵の事件・事故」驚く若者へ伝えたいこと
“きれいな観光地”だけじゃない 沖縄に大きな負担
本土復帰から50年。沖縄は大きく変わった。一部の基地の返還と跡地利用が進み、インフラも整備された。沖縄を訪れる観光客は急増し、2019年には年間1000万人を超えた。
一方で、基地と隣り合わせの生活は続いている。アメリカ軍基地に起因する事件・事故はやまず、基地のあり方は今も問われ続けている。住宅街のただ中にある普天間基地については、26年前、日米両政府が返還に合意したが、その移設先とされたのは同じ県内の名護市・辺野古沖。沖縄県が反対する中で、埋め立て工事が行われている。復帰から50年たった今も、全国のアメリカ軍専用施設のおよそ70%が沖縄に集中している。 現代の若者たちに、復帰当時22歳だった崎山さんが語りかけた。 「生活のインフラが充実してきたとか、復帰してよかったことはたくさんあります。ただ、沖縄の復帰が、ある意味で、沖縄の人たちの思いにそぐわなかったことはぜひ分かってほしいなと思います」 復帰当時20歳だった宮永さんも、歴史を学び、あるべき姿を考えてほしいと訴える。 「みなさんには、歴史をしっかり学んでいただきたいなと思います。歴史は真実の基本だと思うんです。報道やいろんなものがあるだろうけど、自分がその真実をしっかり探し出す。歴史からものを学ぶということが、未来を切り開くきっかけになるんじゃないかなと思います」 沖縄の複雑な歴史に触れた若者たちは、何を思ったのか。沖縄が大好きだというあさとさん(17・北海道)は、当事者から話を聞いて深く考えさせられたと話す。 「沖縄には何回も行ったことがあるけれど、知らない歴史がたくさんあり見てこなかった事実があるということを実感しました」 ゆうさん(17・広島)は、「沖縄はきれいな観光地という印象だけでしたが、それよりももっと深い歴史があり、またその歴史にかかわる問題は日本全体で考えるべき問題だと気づくことができました。まだまだ基地問題などが解決されていない今、私たちの世代が改善していきたいと思いました」と決意を伝えた。