立ち眩み、緊張、多汗に「これやばい」 10年の苦悩で心療内科受診…判明した2つの障害【インタビュー】
元同僚のSNSで知った支援活動
守護神としてJ1横浜F・マリノスを最後尾から支えるGKポープ・ウィリアム。貧しい母子家庭で育った生い立ちもあり、ピッチ外では自身と似た境遇を持つ子供のための支援活動を続けている。ただ、その活動は自身が苦しんだメンタルヘルスの不調と改めて真正面から向き合うきっかけに。長いトンネルから抜け出すまでの闘いとは。(取材・文=FOOTBALL ZONE編集部・山内亮治/全2回の1回目) 【写真】「明るい彼女」GKポープが新妻との入籍を発表「お二人素敵です」 ◇ ◇ ◇ 遡ること約3年半前の4月25日。当時、大分トリニータに在籍していたポープ・ウィリアムは、アウェーの浦和レッズ戦でプロ生活9年目にして念願のJ1デビューを飾った。その翌日、自身のnote(メディアプラットフォーム)を更新。「J1デビュー。母への感謝。」と題した投稿には、母子家庭での苦しかった過去や懸命に支えてくれた母親への思いが赤裸々に綴られ、その内容はSNSを中心に大きな反響を呼んだ。 また、投稿とほぼ時を同じくしてポープはある出会いを果たす。認定NPO法人「love.futbol Japan」での支援活動だ。経済的な貧困や社会格差を理由に、サッカーをしたくてもできない、続けられない子供たちの環境を変える活動を展開する同団体。かつて川崎フロンターレで共闘した森谷賢太郎(現サガン鳥栖)のインスタグラムで存在を知ると、自身の境遇も重なり「直感的にやりたいと思った」とポープは語る。すぐさま団体に連絡を入れ、活動参加を申し込んだ。 ポープが活動の一環として定期的に続けているのが、支援家庭の子供たちとのオンライン交流会。毎年6月頃から半年間、月1回の頻度で行い、サッカーにちなんだテーマを話し合うだけではなく、互いに目標を決めてその達成へ“伴走”する。「love.futbol Japan」代表の加藤遼也氏は、交流会の目的をこう語る。 「支援する子供たちは精神的な課題を抱えている傾向があり、社会に頼ることも難しい。そんななかで、サッカー界に自分たちを見てくれる大人たちがいること、夢や目標を応援してくれる居場所があることを体感し続けてらうことで、子供たちが本来持っている力を引き出す手伝いをしています」