“韓国のあいみょん”から「歌王」チョー・ヨンピルの11年ぶりのアルバムまで…2024年リリースの聴き逃せない韓国大衆音楽20選<後編>
K-POPに興味を持つ者ならば、自然と韓国の大衆音楽シーン全体にも関心が向くはずだ。あるいは、もともと音楽愛好家であり、K-POPアイドル以外の韓国音楽に興味を抱く者もいるだろう。しかし、どこでも容易に情報が手に入るアイドル音楽に比べ、他ジャンルの楽曲は日本では相対的にアクセスしづらいのも事実。興味があっても多くの優れた楽曲を聴き逃してしまうことは少なくない。 2024年は、アイドル音楽以外にも数多くの素晴らしい韓国音楽が登場した。ここで紹介する20曲の中に一曲でも心に響くものがあれば、それをきっかけにさらに広大な韓国音楽の世界へと足を踏み入れてほしい。筆者の趣味も反映されてはいるが、いずれの楽曲も日本の音楽愛好者に胸を張って推薦できる。選曲はヒップホップ、R&B、ポップ、オルタナティブ、エレクトロニック、ロックなど幅広いジャンルから選び、2024年にリリースされたアルバム収録曲に限定した。気に入った曲があれば、ぜひアルバム全体にも耳を傾けてほしい。<後編>10曲を紹介する。 【動画】HANRORO「H O M E」
11. HANRORO「H O M E」
2022年にデビューして以来、瞬く間にさまざまな音楽祭や授賞式でその名を轟かせ、大きな注目を集めたHANRORO。丸みを帯びた可愛らしいイメージと青春の物語を描いたロックを歌うことから、一部では「韓国のあいみょん」とも称されるアーティストだ。2024年リリースのEPに収録された「H O M E」は、「燃え盛る私の家」という歌詞からもわかるように、爆発的で力強いサウンドが印象的なロックトラックだ。奇怪で不気味な雰囲気のMVは、楽曲の持つ空気感をさらに増幅させている。
12. HWI「Your My Past Lives」
哲学的な歌詞と精巧なサウンドが融合した、2024年韓国で最も注目すべきエレクトロニック・ポップ。前編で紹介した注目の音楽集団「BAT APT.」のメンバーでもあるHWIは、ディストピア的な現実の中で希望を探し求める過程を、感覚的な音楽と映像で描き出している。本曲は、現代美術家ナム・ジュン・パイクのパフォーマンスショー『Good Morning Mr.Orwell』40周年を記念した『Big Brother Blockchain』特別展で初公開された。また、日本のアーティストMiho Hatoriがリミックスバージョンを発表したことでも話題になった。