“韓国のあいみょん”から「歌王」チョー・ヨンピルの11年ぶりのアルバムまで…2024年リリースの聴き逃せない韓国大衆音楽20選<後編>
13. イ・スンユン「Anthems of Defiance」
シンガーソングライターのイ・スンユンは、実力派無名アーティストを発掘する番組『シングアゲイン - 無名歌手戦』を通じて名を広め、その知名度を純粋に自身の音楽的な糧として昇華させ、多くの印象的な作品を次々と発表している。2023年にはすでに日本でライブを行い、圧倒的なパフォーマンスで高い評価を得た。本曲では、我々がロッカーに求める反骨精神と熱い叫びを惜しみなく披露し、「雑音が君の主旋律をすべて奪いに行く」という痛快な歌詞を力強く歌い上げてカタルシスを与える。
14. CAMO「K-PACK」
優れたスキルとスタイリッシュなビジュアルを誇るCAMOは、Awichとの共演を通じて日本でもその名を広めた。トレンディなトラックにマッチする洗練されたメロディが際立つ本曲は、リスナーをミックステープ『Yours Truly』へと誘う。「カネ」から「コリア」「キムチ」まで多義的に解釈できる「K」のタイトルを活かし、キムチ工場をまるでアメリカの犯罪映画に登場する麻薬工場のように描いたユニークなMVも見事だ。さらに、実際にキムチ工場を経営するタレント、ホン・ジンギョンがカメオ出演したことも面白いポイント。
15. PoPoMo(JINBO & Hersh)「2 Step」
ソウルミュージック好きなら絶対に聞き逃せないアルバム。10年以上にわたり活動を続け、BTS、BoA、SHINeeといったK-POPアーティストから、ヒップホップやR&Bなど幅広いジャンルのアーティストと共演してきたベテラン、JINBO the SuperFreakと、韓国のソウルミュージック・シーンで注目を集めるアーティストHershがタッグを組んだ「PoPoMo」プロジェクトは、国境を超えた「グローバル・ソウルミュージック」を標榜しており、日本のリスナーにもかなり身近に感じられる作品に仕上がっている。
16. Fleeky Bang「火(feat. CHANGMO)」
日本でも『SHOW ME THE MONEY 11』を通じてFleeky Bangの名前を知っている人は多いかもしれない。当時、ドリルジャンル(※)を本格的に追求する姿が強い印象を残した。その後も一貫してその方向性を磨き上げ、現在では韓国ドリルシーンを代表するアーティストとして堂々とその名を刻んでいる。2023年夏からの約1年間で、なんと3枚のフルアルバムをリリースするという驚くべき根性を見せた。本曲が気に入ったなら、Sik-Kなど他のラッパーたちとのコラボトラックもぜひチェックしてみてほしい。 (※)2010年代初頭にアメリカ・シカゴで生まれたトラップミュージックから派生したジャンル。重いビートや暴力的な歌詞、ダークな雰囲気が特徴。