ハミルトンのフェラーリF1電撃移籍、メルセデス代表は予知していた? とある電話で「何かが起きていると思った」
メルセデスのトト・ウルフ代表が2024年をシーズン開幕前から騒がせたルイス・ハミルトンのフェラーリ移籍について語り、実際にハミルトンから知らせを受ける前に、その予兆があったことを明かした。 【動画】アイルトン・セナの”愛機”マクラーレン・ホンダMP4/5Bがインテルラゴスを駆ける。ドライバーはハミルトン ハミルトンは1月末にウルフ代表の自宅を訪れた際、メルセデスとの契約解除条項を発動し、2025年シーズンに向けてフェラーリへ移籍することを告げた。 しかしウルフ代表はその2週間前、ハミルトンの加入によって2024年末にフェラーリを追われることとなったカルロス・サインツJr.の父サインツSr.からの初めての電話で、何か大きなことが近づいていると把握していたのだという。 「その2週間前に着信があったんだ」 ウルフ代表はHigh Performanceのポッドキャストに対してそう語った。 「そう、サインツJr.の父が電話をしてきて『こういうことが起こっている』と言ってきた」 「それから何人かのドライバーの父親が、以前はなかった電話をかけてきた。そこで私は『OK……何かが起きている』と思ったんだ」 「そして(フェラーリ代表の)フレデリック・バスールに『我々のドライバーを取ろうとしているのか?』とメッセージを送ったが、返事がなかった。フレッドにしては珍しい。彼は親友だ。だから、そうなることは予想していたよ」 ハミルトンによる自宅訪問の意図について疑念を抱いていたウルフ代表は、メルセデスがかつてフェラーリのチーフデザイナーを務めたシモーネ・レスタを獲得したことを伝え、会話の“ジャブ”を繰り出したという。 「ルイスが家に来た時、何年か前とも同じように、少し世間話をした。クリスマス休暇とかそういったことをいつも通りにね」とウルフ代表は言う。 「そして『今、フェラーリからスカウトをしている。この人を獲得した』と話すと、ルイスは『ああ、伝えておかなきゃいけないことがある』と言った。彼がそう口を開いた時、最初は『これは現実に起こっているモノなのか……?』と心の中で思っていたよ」 ハミルトンのフェラーリ移籍が公になると、F1界に衝撃が走った。しかしウルフ代表は冷静に対処することができたと語った。 「これは新たな状況だ。リスクもチャンスもある。スポンサーにできるだけ早く知らせるにはどうしたら良いかという意味では、情報漏洩のリスクがある。一方で、来年はどうするかということもある」 またウルフ代表は、フェラーリ移籍を決めたハミルトンを説得して考えを変えさせようという試みはしなかったと明かした。 「去ると決めたのなら、行かせるべきだ」とウルフ代表は言う。 「(サッカーのマンチェスター・シティ監督)ペップ・グアルディオラと随分前に話をしたことがあった。彼は今でも友達だ」 「私が『この選手とあの選手が退団するならどうする?』と聞くと、彼は『私がどうするって?』と言ったから『留まるよう説得を試みるか?』と聞き直した」 「すると彼は『いや、もし誰かが他の場所でもっと良いプレーができるとか、もっと稼げると思ったなら、行かせるしかない』と言っていた。それはここ(F1)でも同じようにしている」 「去りたいと言う人がいるなら、当事者それぞれにとって可能な限り良い結果になるようにしたい」
Jonathan Noble